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貯蓄1,500万円でも「月10万円の赤字」です…年金の「繰下げ受給」を狙う66歳夫婦の“苦しい現実”→おふたりさまを救った〈時間差受給〉【FPが解説】

貯蓄1,500万円でも「月10万円の赤字」です…年金の「繰下げ受給」を狙う66歳夫婦の“苦しい現実”→おふたりさまを救った〈時間差受給〉【FPが解説】

年金を最大84%増額できる「繰下げ受給」。2022年の制度改正で上限年齢が75歳に引き上げられ注目を集めていますが、増額を待つ間の生活費が足りず、QOLが低下してしまっては本末転倒です。本記事では、横山光昭氏と関口博美氏の著書『おふたりさまの老後資金は「これ」で増やす』(小学館)より一部を抜粋・再編集し、年金増額を狙うも「月10万円の赤字」に陥った66歳夫婦の事例を通して、老後資金の寿命を延ばす〈時間差受給〉について解説します。

最大84%増の「繰り下げ受給」…平均寿命から考える“もらい損”のリスク

ご存じの方も多いかもしれませんが、年金制度は2022年4月に大きく改正されました。主な変更点は2つ。

1つは、繰り上げ受給における減額率の見直しです。それまで、1か月繰り上げるごとに0.5%減額されましたが、改正後は0.4%になりました。

もう1つは、繰り下げ受給の年齢の上限が延びたこと。改正前の繰り下げの上限は70歳でしたが、75歳まで引き上げられました。1か月後倒しするごとに0.7%ずつ増額されるため、75歳まで10年繰り下げれば84%(0.7%×120か月)も増えます。

ちなみに、繰り下げの場合、年金の総受給額が65歳から受給し始めた人を上回るのは、受給開始から12年後となります。70歳で受給開始した場合は82歳、75歳なら87歳です。年金は積み立て方式でないと理解していても、長年コツコツ納めてきたわけですから、できるだけ多く受け取りたいと思うのは当然です。

しかし、男性の平均寿命は約81歳。頑張って75歳まで繰り下げて増えたとしても、平均寿命までは6年程度です。65歳から受け取る方より受取総額が少なくなるリスクが高まります。

夫婦で「月44万円」も夢ではないが…男女で異なる繰り下げ受給の“恩恵”

具体的に繰り下げによりどのくらい金額が増えるのか。男女別の「平均年金受給額早見表」(図表1)を見てみます。

[図表1]繰り下げ受給でもらえる平均年金受給額早見表

厚生年金に加入する65歳の男性の平均年金月額14万9000円、女性の9万3000円(基礎年金含む)をベースに、それぞれ75歳まで繰り下げた場合の金額をまとめています(2024年度時点)。

ちなみに、厚生年金に加入していた夫婦が同年齢で65歳から受給した場合、月額の合計は24万2000円。住居関連の支出にもよりますが、繰り下げ受給せずとも何とか暮らせそうな金額です。仮に、この夫婦がともに75歳まで繰り下げると、月額は計44万5280円。結構な金額に増えます。

ただし、何度も申しますが、無理は禁物です。たとえば、男性は68歳で受け取り、女性は72歳で受け取るなど、さまざまな選択肢が考えられます。

個人差はありますが、女性は平均寿命が90歳近いため、75歳から受け取り始めても損するリスクは少ないかもしれません。

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