
「会計事務所で働いてみたい」と思ってから街中を歩いて見ると、実は至るところに会計事務所の看板がある事に気づいた方も多いのではないでしょうか。
会計事務所は全国に約3万件あると存在しており、これは全国のコンビニ(約5万件)の半数以上にも達する件数です。
これだけ数があると、会計事務所の中でもどんな違いがあるのか、どんな事務所が自分に合っているか、悩んでしまいますよね。
そこで今回は、会計事務所のタイプを3つにわけてご紹介していきます。それぞれの特性を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
■一般的な会計事務所
もっとも一般的な会計事務所は、町中で見かける「税理士事務所」「会計事務所」と看板がかかっている様子を想像すると良いでしょう。
主な仕事は、個人事業主や中小企業を顧客として、普段から税務相談に乗ったり、毎年の確定申告、あるいは事業年度終了後に税務署などに提出する所得税、法人税、法人住民税などの申告書を作成したりしています。
個人事業主や従業員が数人で構成される中小企業などの場合は、経理業務を本人・もしくは事業所内で対応出来るリソースがないため、税理士事務所に一任しているケースが少なくありません。
そのため、パート・アルバイトとしてこういった会計事務所に勤めた場合には、毎月会社から請求書や領収書を受け取り、会計ソフトにデータを打ち込む「記帳代行」と呼ばれる仕事がメインになることも多いようです。
また、確定申告の時期や顧問先の決算月になると、残業が多くなる傾向があります。
各種税の申告書類を作成・提出出来る期間は税法により決まっているため、前倒しにも後ろ倒しにもできません。更に、こういった期間限定の業務がある月も、毎月行うルーティン業務が無くなるわけではないので、単純に上乗せという形になるのです。
確定申告は2月15日から3月15日までの1カ月間、法人税は決算から2カ月以内の申告が必要なため、3月期末とする会社が多い日本では5月中が繁忙期となります。
もちろんこれらは顧問先の法人の規模や数、それらの決算月、個人事業主がどれくらい顧客にいるかなどで変わってくるため、同じ月に決算を行う法人との契約を制限しているところや、個人事業主との契約を減らしている事務所もあります。
パート・アルバイトとして働く場合は、残業が出来ないという方も多いかと思われます。
正社員以外にも残業を依頼するのか、その場合はどれくらい勤務時間が増えるのかは、事務所によって異なりますので、年間を通しての忙しさや残業の有無などは、入所する前にきちんと確認しておくよいでしょう。
規模感ごとの違いは、こちらのコラムでも紹介しておりますので、是非参考にしてみてくださいね。
▶大手会計事務所と個人会計事務所の業務の違い
▶税理士事務所と会計事務所の違いとは?選び方のポイント徹底解説
■専門特化型の会計事務所
このタイプは、会計業界の専門医。そんなに頻繁に起こるものではないものの、いざ起こったら処理が難しい相続・組織再編・事業継承などに特化している点が特徴です。
2005年の会社法改正により、会社発展の手段として会社の一部を切ったりくっ付けたりする、組織再編が簡単になりました。ニュースや新聞などで「〇社と■社がM&A」といった言葉を目にしたこともある方も多いのではないでしょうか?
ニュースを見ているとあちこちで行われているように感じますが、一般的な会計事務所が抱えている顧客が組織再編に取り組んだりするのは、年に1件あるかないかです。会社経営を親から子に引き継ぐ事業承継でも同じことが言えます。
相続や資産税はもう少し頻繁に起こりえますが、それでも年数件程度のため、通常の法人顧問業務をメインとする会計事務所では、代表や有資格者が対応して終わらせることが大半です。
世の中のニーズは法人顧問や個人の確定申告の方が多いとはいえ、事業承継や相続は動く金額も大きく、専門家の知識を借りないと処理が難しいものもあり、意図しない納税遅れや申告漏れが発生してしまった時の損害も大きなものになります。
当然、対応する会計事務所側にも相応の知識や対応が求められますが、法人顧問業務が中心の個人会計事務所では、職員全員が十分な経験を積めるほどの案件は集まりません。そこで登場したのが、特定の分野に特化した会計事務所です。
法人顧問の依頼は受けない代わりに相続や資産税のみ対応する、経営コンサルティングとM&Aを中心に対応するなど、特化することによって案件を増やし、それによって職員の経験や知識を増やして拡大していくやり方です。
専門性が高いため勉強することも多いですが、案件ごとに新たなクライアントと関わることになり、相続やM&Aのパターンも千差万別ですので、ルーティン業務より新しいことをどんどんやりたいという人には向いているかもしれません。
また、日本の少子高齢化を背景に、今後も当面は相続や事業承継の依頼は減らないと見込まれており、この業界で長く働きたい人や独立を目指している人に転職先として人気のあるタイプの会計事務所です。

