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「財産が消える…」都心一等地〈超高級マンション〉を「格安管理会社」に委託した代償。50代理事長が打った〈起死回生の一手〉【マンション管理士が解説】

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このままでは財産が消える…危機感から「原点回帰作戦」開始

築8年を過ぎるころには、建物や設備の不具合が増え、修繕工事の機会も多くなってきました。管理委託費を削減できても、工事代金が高額では意味がありません。

Aさんは、「このままでは大規模修繕工事やインターホン更新などのグレードアップ工事で、管理組合の財産が消えてしまう」と危機感をおぼえました。

そこでAさんは、管理会社を元の大手デベロッパー系に戻すために水面下で作戦を立て、実行することにしました。

まず、理事会において管理会社が同席する時間を開始から1時間半後に設定し、管理会社のいない時間に役員だけで議論できる体制を整えました。

また、現行の管理会社が提示する「元請け見積書」について、理事会主導で相見積もりを取る方針に切り替えました。前述のように管理会社は当然関与しないため、工事の立会いもAさん自らが行います。

その結果、100万円を超える元請け見積書が、工法の工夫によって半額以下で実施できることが判明。他の工事でも同様に、3〜5割以上の削減が可能であることがわかり、理事会メンバーも次第にAさんの作戦に協力するようになりました。

臨時総会の結果、「賛成80%」で管理会社の再変更が決定

しかし、管理会社を元に戻すには、総会での決議が必要です。

そこでAさんは、現行の管理会社による妨害を避けるため、議事録素案の作成から配布、郵送作業にいたるまで、すべて自ら行いました。また、理事会メンバーは元の管理会社に出向き、引き継ぎや現場調査の打ち合わせを着々と進めていきました。

その過程で、元の管理会社の管理委託費は、年間で数千万円高くなることが判明しました。しかし同時に、元請け見積書はいっさい使わないこと、工事や備品購入は業者からの直接見積もりとすること、立会いや請求、連絡業務は管理会社が担うことなど、透明性の高い運営が約束されたのです。現行の管理会社が異変に気づいたのは、臨時総会の案内が配布される直前のことでした。

臨時総会では、突然の管理会社変更の提案に対し、多くの異論が噴出しました。しかし最終的には、議場での反対意見こそ目立ったものの、委任状や議決権行使書による賛成が80%近くに達し、管理会社を元に戻す決議は可決されました。

総会の最後、Aさんは目を潤ませながらこういいました。

「今期の理事会は、管理会社に頼らず、自分たちの力で運営してきました。今回の提案にはもっと反対が出ると思っていましたが、これだけ多くの方が賛成してくださったことを、とても誇りに思います」

その言葉に、参加者からは温かな拍手が起こりました。

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