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「命を削って働いたのに…」月収34万円・32歳女性、“月100時間超え”の残業地獄の果てに絶望した〈まさかの給与明細〉【社労士が「名ばかり管理職」の違法性を解説】

「命を削って働いたのに…」月収34万円・32歳女性、“月100時間超え”の残業地獄の果てに絶望した〈まさかの給与明細〉【社労士が「名ばかり管理職」の違法性を解説】

「何かの間違いだ…」残業代ゼロの明細と、上司が放った冷徹な一言に絶望

プロジェクトが落ち着き、待ちに待った給料日がやってきました。あれだけの激務をこなしたのです。100時間以上の残業代と休日出勤手当が加算されれば、手取り額は相当なものになるはずと、ミサキさんは少しの緊張と大きな期待を胸に、給与振込口座を見ました。

しかし、画面に表示された振込金額を見た瞬間、ミサキさんは目を疑いました。

「……え? 30万円ちょっと……? なんで?」

残業代や休日出勤手当が十分に反映されているとは思えない金額で、慌てて社内システムから給与明細をダウンロードして確認しました。

・基本給:34万円

・役職手当(マネージャー手当):4万5,000円

・時間外勤務手当(残業代):0円

・休日勤務手当:0円

「何かの間違いに違いない」と、ミサキさんは明細をプリントアウトし、震える足で部長のもとへと向かいました。

「部長、大変失礼します。今月の給与明細を拝見したのですが、先月のプロジェクト期間中の残業代や休日手当がまったく反映されていないようでして……。何かのシステムエラーでしょうか?」

部長はミサキさんの持ってきた明細を一瞥すると、やれやれといった様子でため息をつき、冷徹なトーンでこう言い放ちました。

「エラーじゃないよ。君は先月から『マネージャー』、つまり管理職になったんだ。労働基準法でもね、管理職には残業代や休日手当は出ないことになっているんだよ。その代わりに『役職手当』を4万5,000円つけているじゃないか。これからは経営者目線で働いてもらわないと困るよ。あんなに働いたのにって言うけど、それも含めての『管理職』なんだからさ」

「管理職だから、残業代は出ない」という部長の言葉が、頭のなかで何度もリフレインしました。

月100時間以上、命を削るようにして働いたあの時間は、たった4万5,000円の手当ですべて帳消しにされてしまうのか。

ミサキさんは、自分が会社の都合のいい「タダ働きの道具」にされたことに気づき、絶望と怒りで目の前が真っ暗になりました。

「名ばかり管理職」の違法性を社労士が解説

今回のミサキさんのケースは、世間で多くみられる「名ばかり管理職」の典型例です。会社側は「管理職にしたから残業代は払わなくていい」と主張していますが、これは労働基準法上、明確な違法となる可能性が極めて高いといえます。

なぜ会社の主張が間違っているのか、法的な観点からわかりやすく解説します。

「管理職」と「管理監督者」はまったく違う

多くの経営者や上司が勘違いしている(あるいは故意に混同している)のが、「社内の役職(管理職)」と「労働基準法上の『管理監督者』」の違いです。

労働基準法第41条第2号では、「監督若しくは管理の地位にある者(管理監督者)に対しては、労働時間、休憩、休日に関する規定を適用しない」と定めています。そのため、本物の管理監督者であれば、残業代や休日手当を支払わなくても違法にはなりません。

しかし、会社が勝手に「マネージャー」「店長」「課長」といった肩書き(役職)をつけたからといって、自動的に法律上の「管理監督者」になれるわけではありません。

法律上の管理監督者に該当するかどうかは、肩書きではなく、「職務内容」「権限」「待遇」などの実態から厳格に判断されます。

「管理監督者」と認められるための3つの厳しい基準

過去の最高裁判所の判例等により、労働基準法上の「管理監督者」と認められるには、以下の3つの要件をすべて満たしている必要があります。

1. 職務内容と権限:経営者と一体的な立場にあり、採用や解雇、人事考課、業務執行における重要な決定権を持っていること。

2. 労働時間の裁量:自分の労働時間について裁量があり、出退勤の時間を自由に決められること。遅刻や欠勤によるペナルティがないこと。

3. 適切な待遇:基本給や手当において、その地位にふさわしい十分な優遇(高額な給与など)を受けていること。

ミサキさんの場合、すべての要件を満たしていないため、法律上は「一般の労働者」と同じ扱いになります。したがって、会社が残業代を支払わないのは「割増賃金の未払い」という労働基準法違反に該当します。

ミサキさんの実態(ケース分析)

1. 単なるプロジェクトの進行管理役であり、部下の採用・解雇権や、会社の重要な決定権は持っていなかった。

2. 朝8時の出社を義務づけられ、業務量が多すぎて終電まで働かざるを得ず、時間的な自由は一切なかった。

3. 月収34万円に対して役職手当はわずか4万5,000円。時給換算すると一般社員(アルバイト以下)よりも低くなっている。

このような、実態が伴わないのに肩書きだけ与えられて残業代を削減される労働者のことを、世間では「名ばかり管理職」と呼びます。

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