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生きている意味、あるのだろうか…「資産1億円・年金月26万円」75歳元エリート男性、飲みかけの缶ビールと家族写真の前で漏らした〈本音〉【CFPの助言】

生きている意味、あるのだろうか…「資産1億円・年金月26万円」75歳元エリート男性、飲みかけの缶ビールと家族写真の前で漏らした〈本音〉【CFPの助言】

老後不安と聞いて、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは「お金」の問題でしょう。しかし、「お金さえあれば幸せな老後を送れる」と考えているなら、それは勘違いかもしれません。今回は、十分な老後資金を持つ75歳男性の事例から、見落とされがちな“もう一つの老後リスク”について考察します。

「年金月26万円・資産1億円」75歳・元商社マンの“孤独な老後”

ナオトさん(仮名・75歳)は、大手商社で長年活躍した元会社員です。年金収入は月26万円ほど、預貯金や有価証券の金融資産は約1億円あり、戸建ての住宅ローンも完済しています。一見すると、経済的な不安とは無縁の、誰も羨む老後です。

ところが数年前、最愛の妻を病気で亡くしてから、ナオトさんの日常は一変してしまいました。

朝起きても「おはよう」と声をかける相手はおらず、現役時代は仕事一筋でこれといった趣味もなく、友人や地域とのつながりも希薄だったナオトさんのスケジュール帳は、妻を失ってから真っ白になりました。

娘たちは遠方でそれぞれ家庭を持っており、妻の法事を除いてはめったに帰省しません。これまで、子育てや孫の世話、親族との交流を妻に任せきりにしていたナオトさんからは、「会いに来てくれ」とはいい出しにくい状況です。

朝早く起きて新聞を読み、テレビをぼんやり見ていると、いつの間にか夕方になっている……。そんな日々が続くなか、ふと食卓に放置された「ゆうべの飲みかけの缶ビール」と、そのすぐ奥に飾られた「家族写真」が同時に目に入りました。

「俺はなんのために働いてきたんだろう。生きている意味、あるのだろうか……」

ナオトさんは、虚しさに押しつぶされそうになっています。

「お金があっても救われない」退職や死別を機に直面する“孤立”の実態

ナオトさんの悩みに対して「潤沢なお金があるのに、悩む必要があるのか?」と思う人もいるかもしれません。たしかに、資産は「生活の基盤」を支える重要な要素ではあるものの、「心のつながり」や「生きがい」の代わりにはならないでしょう。

また、経済的に余裕がある人ほど周囲から「困っていない」ように見えて、本当の苦悩が外からはわからずに支援の網からこぼれ落ちてしまうこともあります。

内閣府「平成26年度 一人暮らし高齢者に関する意識調査」によると、一人暮らしの高齢男性で、人と話す頻度が「毎日」と答えた人は4割弱にとどまります。また、内閣府「令和6年 人々のつながりに関する基礎調査」では、現在の孤独感に影響を与えたと思う出来事として「家族との死別」が上位に挙がっています。

特に、職場中心の人間関係に偏ってきた男性は、退職や死別を機に孤立しやすい傾向が指摘されています。

「夫婦で穏やかな老後を過ごす」と理想の老後を思い描いていても、いずれどちらかが一人になることは避けられません。

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