◆成功の秘訣は他社がやっていないことに挑戦する

「反対されなかったのは、このままだと倒産していましたし、設計やソフトウェア開発は先行投資が少ないので、失敗しても大きな損失にはならないことが分かっていたから。チャレンジするとなるとみんな協力してくれましたが、私は絶対に成功すると確信していました。
当時、私は大手メーカーの社員も参加するようなセミナーにいろいろ参加していて、ソフトウェアがくると思っていたんですね。成功するためにはレッドオーシャンではなく、誰もやっていないブルーオーシャンに挑むことが大切です」
ブルーオーシャンに挑むのはさまざまなメリットもあるという。
「誰もやっていないことなら、例え失敗しても許してもらえやすいですし、失敗を糧にちゃんとブラッシュアップできれば、ちゃんとした製品になる。成功すれば社員も説得しやすくなりますが、実は新しいことに挑戦して3連敗中でして……。いずれも先行投資が少なかったので、会社に大きな損失は出していないものの、次に失敗したときは責任を取らなければいけないと感じています」
◆製造業のイメージを変えるために
「今後チャレンジしたいことがある」と意欲を燃やす金丸氏だが、業界の人手不足に頭を悩ませている。「製造業の現場でも人手不足は起きていて、エンジニアを育てるのに時間がかかるため、弊社でも常時募集していますが、採用は難しい状況が続いています。製造業の分野にもAIが進出していて、機械のプログラムや設計にも影響を与えると見ているので、徐々に解消されるとは思いますが、製造業に興味を持つ若者が増えてくれるとうれしいですね」
そのためには、製造業のイメージを変えて、何をやっている会社なのかをもっとアピールする必要があるという。
「先ほどお話した通り、製造業は昔と比べてかなりホワイトになりましたが、きつい、地味といったイメージを持っている若者は多いと思います。それに加えて、何をやっている会社なのか分かりにくいという問題がある。弊社の社員も、子供に仕事内容を説明しても『わからない』と言われたと嘆いていました。
製造業はSNSなどを活用した情報発信は苦手な会社が多いと思いますが、業界や会社の認知向上につなげて新たな人材を確保するためにも、積極的にアピールしていく必要があると考えています。弊社としても社員が胸を張って自慢できるように、会社自体のブランドをさらに確立し、社会的に評価される会社に成長していきたいですね」
【黒田知道】

