
不動産投資で負けないためには、物件の管理状態をチェックすることが重要です。しかし、事前にどれだけ物件の管理状態をチェックしていても、購入後に「こんなはずでは…」というトラブルに気づくこともあります。物件購入後にできるリスクヘッジとしては、「管理組合の収支チェック」がおすすめです。本記事では、村野博基氏の著書『戦わずして勝つ 不動産投資30の鉄則』(扶桑社)より一部を抜粋・編集し、管理組合の収支状況からどのような問題を予測できるかを解説します。
築古の物件ほど、管理状態のチェックの重要度が高くなる
不動産投資でも自分で住む場合にも言えることですが、築年数が20年以上とそれなりに年数が経っているマンションでは「管理」の良し悪しが本当に重要です。管理が駄目であると物件はどんどんボロボロになっていきます。
外壁の塗装やタイルの補修を行っていなければ、崩れ落ちてマンションの下を歩く人にケガをさせる可能性もあります。上下水道の給水管、排水管の工事ができなければ、年中どこかの部屋で水漏れが発生するでしょう。特に排水管からの漏水の場合であると汚水が漏れてきます。階下を汚したり悪臭が発生するなど、快適な生活とは程遠い環境になってしまいます。
また、見落とされがちですが、玄関や窓サッシも一般的には共用部です。補修ができなければ、ひび割れなどで雨水が浸食し隙間から漏れ出しかねません。
管理は非常に重要ですから、中古の物件を購入する前には「重要事項調査報告書」を手に入れて確認しましょう。これまでの修繕の記録を確認したり、管理組合に借入がないかを確認するのはマストで心がけたいところ。
ポイントは「必要な工事をしっかり行っているか」と「金融機関から借入をしていないか」です。借入があるとすれば、「修繕積立金が上がる予兆」と私は捉えています。
物件購入後の「ヤバい」を避けるために…管理組合の収入と支出をチェック
しかし、物件の“購入後”に「管理がヤバい」と気がついたケースも出てくるでしょう。「管理がヤバい」には大きく分けてヒト(問題住人の存在)・モノ(建物の状況)・カネ(管理組合の財政)の3パターンがあります。
実際に水漏れなど被害に遭い、やり取りをするなかで、「やっぱり築30~40年超えのマンションはトラブルがある!?」と思う方も多いのではないでしょうか。
そんな方に向けて私は「物件を所有しているならば、管理組合に参加して管理に携わろう」と声を大にして言いたいのです。管理に前向きな方、積極的な方が物件の維持管理に携われば、必要な工事や修繕をしっかり行うことに繋がり、物件の資産価値の維持・向上も可能です。
とはいえ、普段の生活や仕事においては、管理組合の活動にはなかなか触れる機会はありません。ですから「いきなり『管理に携わろう』と言われても……。何をやったらいいのか分からない」となるのが当然かと思います。
そんな方はまず管理組合の「収入」と「支出」をみてください。年1回送付されてくるマンション管理組合の総会通知には、管理組合の財政報告が記載されています。そこで収入である管理費・修繕積立金が適切に設定されているか、支出であるマンション維持のための必要な修繕工事が行われているか、を確認するのです。
マンションの「収入」はどれぐらいが適切なのか、については個別の物件の事情によって異なるものですが……。
完全に私個人の肌感覚では、管理費は1平米あたり月350円以下、修繕積立金であれば1平米あたり月250円以下であれば将来的に不足する可能性が高いように思います。20平米の1Rであれば管理費が月7,000円、修繕積立金は月5,000円ほどが一つの基準額です。
もちろん、物件ごとに事情は異なってきます。「屋上に携帯電話の基地局が設置されている」「平置きの駐車場がある」などで管理費・修繕積立金以外の収入があったり、「エレベーターが未設置」で保守費用がかからない、といった個別事情によっても、必要な管理費や修繕積立金の額は変わります。
