
近年話題になっている薬膳は更年期の夏バテ対策にもおすすめです。薬膳は一見すると難しそうですが、実はとても簡単。旬の食材を中心に、体調や体質に合わせた食べ物を選べばOKです。夏バテ対策におすすめの食べ物やレシピをご紹介します。
更年期の夏バテ防止に薬膳を取り入れよう
更年期にもおすすめの薬膳とは
「薬膳」とは、漢方の理論をもとに体調や体質、症状、季節に合わせてとる食事のこと。漢方には「医食同源(食べるものと薬になるものの源は同じ)」という思想があり、実際に、生姜やシナモンなど私たちが食べている食材は漢方薬にも使われています。
漢方では、月経や妊娠、出産、更年期など、女性ホルモンの変動に伴いあらわれる症状を「血の道症(ちのみちしょう)」と捉え、古くから治療に漢方薬が使われてきました。
更年期になり「病院に行くほどではないけれど調子がいまひとつだな」と感じるときは、食事に薬膳を取り入れるのも手です。薬膳では、旬の食材は体を整える作用があると考えます。そのため、旬の食材を中心に、体調や体質に合わせた食材を組み合わせることで、今の自分にふさわしいオリジナルの薬膳料理ができあがります。
夏バテ予防にも薬膳
漢方では、夏は体の中に熱がこもることで不眠や食欲不振になりやすいと考えられています。また、湿気も食欲不振の原因と捉えます。
そのため薬膳では、夏は熱を冷ます作用や利水作用のある食べ物がよいとされています。たとえば、トマトやきゅうり、なすは体を冷やす作用があり、更年期にほてりがある人にぴったりの食材です。
ただし、冷たいものをとり過ぎると体を冷やしてしまい、代謝が下がるので気をつけましょう。更年期に冷えがある人は、これらの食材を加熱して食べたり、体を温める作用のある生姜と一緒に食べたりすることで、体を冷やす作用を和らげることができます。
更年期と「気・血・水(き・けつ・すい)」のバランス
東洋医学では、人間の体は「気・血・水(き・けつ・すい)」という3つの要素で構成されると考えます。「気」は生命エネルギー、「血」は血液とその働き、「水」は体内の血液以外の体液のこと。
女性ホルモンは「血」を原料にして作られ、「気」がそのバランスを調整しているため、「血」や「気」が不足したり、滞ったりすると更年期症状=「血の道症」を引き起こすと考えます。「血の道症」の予防や改善には「血」と「気」をうまく巡らせることが大切とされています。
食べ物には「気・血・水」を整えるものがたくさんあります。たとえば、夏が旬のももは「気」と「血」を補う作用があり、更年期に疲れを感じるときや夏バテ気味のときにおすすめの食材です。
なお、薬膳はあくまでも病気を予防するための食事であり、万能薬ではありません。そのことを理解したうえで更年期の夏バテ対策に役立てましょう。
夏バテ防止におすすめの食べ物

トマト
体の中の熱を冷ます作用があり、夏バテ気味のときや口の渇きがあるときにおすすめ。胃腸の働きを高めるので食欲がないときにもよいでしょう。
きゅうり
水分を豊富に含むきゅうりは、体の熱を冷ます作用や利水作用があることから、夏バテ予防のほか、むくみが気になるときに適した食材です。
なす
体の熱を冷ます作用や胃腸の調子を整える働きがあり、胃もたれや食欲不振があるときにおすすめです。
にがうり(ゴーヤ)
ビタミンCが豊富なにがうりは、体の余分な熱をとる作用や解毒作用があり、夏にぴったりの野菜。口内炎や吹き出物にもよいとされています。
かぼちゃ
夏が旬の野菜は体を冷やすものが多いですが、かぼちゃは体を温める作用があり、冷えを感じるときにおすすめ。気を補う作用があり、疲れやすいと感じるときにもよいでしょう。
枝豆
コンビニでも手軽に買える枝豆は、気・血を補い、水の巡りをよくします。胃腸を丈夫にして消化を促進するため、元気を出したいときや胃腸が弱っているとき、便秘が気になるときによいでしょう。
みょうが
体の余分な熱をとる作用や解毒作用があり、口内炎や風邪の予防によいとされています。血行をよくするので冷えが気になるときにもおすすめ。
ブルーベリー
血の巡りをよくする作用があり、目の渇きや充血など、目からくる疲労によいとされています。便秘や下痢、老化が気になるときにもおすすめです。
もも
気と血を補う作用があり、疲れを感じるときや夏バテ気味のときによいでしょう。また、体をうるおす働きがあることから便秘の解消効果も期待できます。
すいか
体の熱を冷ます作用や利水作用があり、夏の水分補給に適した食材です。ほてりやむくみ、口内炎が気になるときにもよいでしょう。
バナナ
体を冷やす作用があるほか、肺や腸をうるおす働きがあり、空咳や便秘が気になるときにおすすめです。
うなぎ
たんぱく質やビタミン類などを含み、栄養価が高いうなぎ。気と血を補う作用があり、梅雨や夏の滋養強壮にぴったりの食べ物です。
あじ
胃を温めて消化を促進するため、食欲がないときにおすすめ。青魚の健康成分であるDHA とEPAを含み、生活習慣病の予防や老化防止にもよい食材です。
酸っぱいもの・辛いものもおすすめ
上記の食材のほかに、夏バテ予防には酸っぱいものや辛いものもおすすめです。酸味のあるお酢や梅干しは食欲増進効果やクエン酸による疲労回復効果があります。
辛みのある唐辛子や山椒は、血行を促進して代謝を高めたり、発汗を促して体温を調整したりする作用があります。カレーには唐辛子のほか、生薬にも使われるさまざまなスパイスが含まれており夏バテ予防によい料理です。
ただし、酸味と辛みはいずれも胃腸を刺激する可能性があるため、過剰摂取には気をつけましょう。

