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社内のエリートを集結したプロジェクト「微妙な黒字」続きだが…檄を飛ばすトップに欠ける、重要な視点とは【経済評論家が解説】

社内のエリートを集結したプロジェクト「微妙な黒字」続きだが…檄を飛ばすトップに欠ける、重要な視点とは【経済評論家が解説】

わずかな黒字が続いているプロジェクト、家族経営のコンパクトなビジネス、学園祭のイベント出店…。ビジネスを「黒字だからOK」という視点だけで評価していると、本当は得られたかもしれない、大きな利益を逃してしまうかもしれません。経済評論家の塚崎公義氏が「機会費用」という考え方についてわかりやすく解説します。

「機会費用」という考え方

昼寝にコストはかかりませんが、昼寝をせずにアルバイトをすれば小遣いが稼げます。そういう場合、「小遣い稼ぎのチャンスを逃してでも昼寝がしたいか?」と自問自答することで、正しい意思決定が行えるかもしれません。このように、実際にコストはかかっていないけれど、ほかの選択肢を選べば受け取れる収入を「隠れたコスト」と考えよう、というのが「機会費用」という考え方です。

学生たちがサークル活動の費用を稼ぐために学園祭で焼き鳥を売ったとします。「3万円儲かったから部活の費用が潤沢になった」などと喜んでいる学生たちに水をかけるわけではありませんが、「学園祭に出ずに、街の焼き鳥屋でアルバイトをしていたら、もっと稼げたのではないか」ということも考えるべきです。その場合、「機会費用を考えれば学園祭は赤字だったと理解すべき」ということになります。

まあ、学園祭の焼き鳥店は、皆でワイワイ言いながらやるのが楽しいですから、「活動費を稼ぐという目的はともかく、学生生活が楽しめてよかったね」とポジティブ思考しておきましょう。

営業部長のタクシー利用は「機会費用の節約」なのか?

営業担当者が取引先へ行く場合はバスで、営業部長が取引先へ行く場合はタクシーで、という会社が多いでしょう。なぜでしょうか。「部長は偉いのだからタクシーに乗るのが当然だ」といった社内政治の話は本稿では忘れておきましょう。それが会社の利益にプラスか否か、が大事なのですから。

「営業部長は時間あたりの給料が高いのだから、移動時間がもったいないが、平社員は時間あたりの給料が安いのだから、タクシー代を惜しんでバスで移動すべきだ」と言われると、納得してしまいそうですが、重要なのは、なぜ部長の給料が高いのか、ということです。

部長が優れた営業センスを持っていて、客と商談すれば高い確率で契約が取れる、という場合ならば、部長がタクシー代をケチってバスに乗ることの機会費用はタクシー代より高いでしょう。バスで移動すれば商談の件数が減り、取れるはずだった注文が取れなくなるわけで、それがタクシー代をケチることの機会費用(=タクシーで移動していれば稼げていたはずの利益)だということになるわけですから。

しかし、単なる年功序列で能力のない人が部長になっている場合や、宴会を盛り上げるのは上手だけれども商談が下手な人が部長になっている場合は、バスで移動してもらいましょう。タクシーで移動してもどうせ商談が取れないなら、機会費用は小さいですから。

一方で、新入社員が優秀で、商談をまとめる能力が高いならば、バスでの移動時間を惜しんでタクシーに乗せましょう。バスに乗って移動時間をかけることの機会費用が大きいからです。あとは、「社内政治のことは忘れて」とはいえ、誰が「部長はバスで、新入社員はタクシーで」と言い出すのか…という問題が残るだけですね(笑)。

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