「俺の経験を信じろ」と熱弁する上司に、若手が放った「で、そのデータはあるんですか?」の衝撃…日本企業を疲弊させる〈世代間ギャップ〉の正体

「俺の経験を信じろ」と熱弁する上司に、若手が放った「で、そのデータはあるんですか?」の衝撃…日本企業を疲弊させる〈世代間ギャップ〉の正体

「経験」より「データ」が信頼される

経済産業省「DXレポート2(2020)」によると、業務のデジタル化により、個人の経験や勘に頼った業務は急速に価値を失いつつあります。

製造の世界では、ベテランの「勘」が品質を支えてきました。「この音ならば調整が必要だ」「この手触りならばOKだ」といった熟練者の判断は、長年の経験によるものでした。しかし、近年はIoTやAI技術が導入され、工程ごとのデータをリアルタイムで計測・記録できるようになりました。データに基づいた分析が標準となり、今は「勘」ではなく「数値」で判断することが求められています。

上司がこれまでの感覚で「私の経験を信じろ」と言うと、若手は戸惑います。その理由は、「根拠のあるデータを使うのが正しい」と教育されているからです。

様々なことがすさまじいスピード感で変化する今の時代は、上司の経験値が、常に「正解」とはいえないことも増えています。そんななかで時代の変化を無視してしまうと、若手から「上司のやり方はもう古い」と反発されることにもつながりかねないのです。

上司には今、経験だけでなく、テクノロジーの進化に対応し続ける「リスキリング(学び直し)」が求められているのです。新しいツールや手法に自ら挑戦し、変化し続けようとする上司の姿勢こそが、価値観の異なる今の若手世代からの信頼を勝ち取る第一歩となります。

「共感」が信頼関係の出発点

人は「自分を理解してもらえている」と感じると安心します。特に若手世代はその傾向が強く、上司が部下の気持ちに寄り添うことが信頼関係の出発点です。つまり、これまでのように「強く叱る」「論理的に詰める」スタイルでは、指導どころか信頼を失うリスクすらあります。

Googleが2015年に行った研究によると、成果を上げるチームに共通する最大の要因は「心理的安全性」でした。これは「発言しても否定されない」「ミスをしても罰せられない」という安心感を意味します。

しかし、日本の伝統的な企業では、いまだに「叱って伸ばす」「我慢して学べ」という文化が根強いため、結果的に若手が疲弊し離職することが起きているのです。

今日の職場で成果を出すためには、上司には「安心して成長できる環境をどうつくるか」が問われます。これら3つの時代背景により、あなたの世代と若手世代の間にすれ違いが生じ、これまでの育成や指導の方法が通用しない場面が多くなっています。

竹下 友浩

マネジメント研修講師/生成AI研修講師&コンサルタント

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