◆芸能界では医療ダイエットは「やって当然」な感覚だった

百合川:そのあたりは平気でした。というのも、私は15歳の頃からアイドルとして活動しているんですけれど、当時から「痩せなきゃいけない」という思いが強くて。
特に太っていたわけではないですが、やっぱり周りの子とかすごく細くて、それを見ていたら焦ってしまうんですよね。
でも、なかなか痩せられない。代謝も悪いし、運動も大嫌いなので(笑)。
だから実は、もう当時から薬を使った医療ダイエットをやっていたんですよ。だから、マンジャロも抵抗感は全然なかったです。
――そんなに早い時期から、ですか。医療ダイエットの存在はどうやって知ったんですか?
百合川:友達に聞いたりして。当時から、もう医療ダイエットをしている子は多かったです。みんなで情報を交換しあって、海外から薬を個人輸入するとか。
だから、芸能界に入ってからマンジャロをやめるまで、ずっと医療ダイエットを続けてきたって感じなんです。
――なるほど。では医療ダイエットは、業界的にはもう日常の一部だったわけですね。
百合川:「痩せられるなら、なんだってOK」って感じでしたね。
◆医療ダイエットは絶対にダメ!……だけど太る恐怖は消えない

百合川:絶対に止めます。実際にときどき「興味がある」って子もいるんですけど、耳に入った時点で「やめたほうがいい」と伝えています。
SNSでの「マンジャロ、危ないです」って注意喚起の投稿も、今後も続けたいと思っています。
――実体験を伴う言葉ですから、多くの人に伝わるかと。それにしても、それだけ強く「痩せたい」と思うってことは、太ること自体が恐怖の対象ですか。
百合川:すごく恐怖です!10代の頃から、今でもずっと。この恐怖は、たぶんこれからもずっと消えないですね。
――では、また医療ダイエットに手を出してしまうかもしれない?
百合川:マンジャロの副作用が本当にヒドかったので、手は出さないようにしたいです。今度こそジムに通って痩せたいと思います!
救急搬送や副作用を経験した百合川さんの言葉は、安易な医療ダイエットの恐ろしさを物語っています。
厚労省が警鐘を鳴らす通り、目的外の薬の使用は危険です。周囲の意見やSNSでの評判に騙されず、冷静に見極める姿勢が求められています。
<取材・文/蒼樹リュウスケ 写真/杉原洋平>
【蒼樹リュウスケ】
単純に「本が好きだから」との理由で出版社に入社。雑誌制作をメインに仕事を続け、なんとなくフリーライターとして独立。「なんか面白ければ、それで良し」をモットーに、興味を持ったことを取材して記事にしながら人生を楽しむタイプのおじさんライター

