自宅の売却や正社員からの転落も……家族の未来を奪った代償
投資のために重ねた借金は、男性が返済できる額を優に超えていました。男性は持ち家だった自宅を手放すことに。住む場所を追われたことで家族関係は冷え切り、妻とは現在別居に近い状態になってしまったと明かします。

男性の借金は子どもたちの教育費にも影響。進学費用が用意できなくなったことで、19歳の長男は大学進学を諦め、働かざるを得ない状況に追い込まれました。
さらに、経済的な困窮は、男性自身の人格や健康をもむしばんでいきました。支払いに追われる過酷なストレスから精神を病み、長年勤めていた正社員の職すら失ってしまったのだとか。
現在は低賃金のアルバイトを掛け持ちしながら、ただ利息を払うだけの自転車操業を続ける日々。未来への希望が全く持てない生活を送っています。
日々の食事や光熱費の支払いすらままならない逼迫した状況の中、周囲の友人や知人に借金の肩代わりを頼めるはずもなく「誰にも助けを求められないという精神的な孤立が最もつらいものでした」と打ち明ける男性。
「子どもたちの将来の選択肢をすべて奪ってしまったという罪悪感で、夜も眠れず、精神的に限界に近い状態が続いていました」と続けました。
欲望と焦燥感が生んだ悲劇、法テラスへの相談で自己破産へ
なぜそこまで無謀な投資を続けてしまったのか。男性は当時の自分自身の行動について「一刻も早く損失を取り戻したいという焦燥感に支配されており、冷静な判断力を完全に失っていました」と分析します。
業者から言われる言葉の一つ一つを、苦境から抜け出すための唯一の道だと盲信。「今思えば非常に恥ずかしい限りですが、当時は夢のような生活が送れるという欲望が勝り、リスクに対する恐怖心よりも、成功への執着心が勝っていたのです」と心境を教えてくれました。

困窮状態が限界に達し、最終的には法テラスの無料相談窓口へ駆け込んだという男性。再び詐欺被害に遭う恐怖から、SNSなどでの情報収集を避け、公的機関を通じた専門家への相談を最優先に選んだと言います。
男性はそこで紹介された弁護士に依頼し、債務整理の手続きを開始。同時に、家族にも謝罪した上で、今後の生活について話し合う場を設けました。
弁護士の介入によって、消費者金融への返済は一時的にストップし、現在は自己破産の手続きを進めている最中だと明かす男性。
自己破産が完了すれば、借金は免責されるはずですが、「今後の生活再建には長い時間がかかります。解決には向かっていますが、失った信用や家族の絆はすぐには戻りません」と、男性は重い現実を受け止めています。
