JR西日本は2026年6月22日、「ドクターイエロー」と「500系」新幹線の運転終了が同時に発表された。

黄色い新幹線として名をはせた「ドクターイエロー」は、半年後の2027年1月に検測運転を終了する。なお、この「ドクターイエロー」は最後まで残ったJR西日本所属の車両である。JR東海所属の車両は2025年1月にすでに引退している。
「ドクターイエロー」は多くの鉄道ファンなどに愛された車両だった。JR東海が「ドクターイエロー」を引退させたときには大きく報じられ、惜しむ声がさまざまなところから聞かれた。
さらに今回、JR西日本所属の「ドクターイエロー」もなくなるということで、再び「ドクターイエロー」が注目されることになった。この引退を惜しむ声も、当然ながら多い。
だが一方で、同時に発表された500系の引退は、そこまで大きく報じられなかった。東海道新幹線区間に500系が走っていないことなどが理由かもしれない。500系は現在、山陽新幹線区間を8両編成で走り、「こだま」を中心に運用されている。
500系は山陽新幹線「こだま」として活躍
500系は、東海道・山陽新幹線の多くの車両とは異なり、先頭部分が槍のように尖っていて空気を切り裂くような車体が印象的。塗色もJR西日本独自のものとなっていた。
東海道・山陽新幹線の車両としては珍しく、JR西日本が独自に開発した車両だ。
独特の見た目によるかっこよさや、「新世紀エヴァンゲリオン」ラッピング、「ハローキティ」ラッピングなどで山陽新幹線沿線の人たちには親しまれている。
そんな500系は、現在の東海道・山陽新幹線でもっとも古い車両でありながらも、もっとも新しいようにも見え、人気は高い。
この車両は1997年に「のぞみ」として登場し、16両編成で東京~博多間を行き来していた。
その際には新幹線初の時速300km運転を果たし(山陽新幹線区間のみ、東海道新幹線では時速270km)、車両の性能上は時速320kmでの営業運転が可能だった。
東京-博多間を4時間49分で結び、最速達の「のぞみ」として、あっという間に多くの鉄道ファンや子どもたちにリスペクトされる車両になった。
当時は最高時速270kmの300系が「のぞみ」の主流であり、「ひかり」や「こだま」ではもっと性能の低い100系も残っていたため、500系は画期的な車両だったのだ。
実際、東海道・山陽新幹線の沿線を沸き立たせるスター車両で、その後にJR東海とJR西日本が共同開発した700系が1999年に登場しても、スターの座を譲らなかった。
だが、その人気とは裏腹に500系は、東海道・山陽新幹線の「スタンダード」にはならなかった。
500系はJR西日本が独自に開発した車両で特殊
500系は、300系と座席配置が違う。いっぽうで700系以降の16両編成車両は、300系と座席配置を合わせている。JR東海は車両の運用の自由自在さを確保するために、運用列車が限定される500系の使用に消極的だった。
そこでJR西日本は、2008年12月以降は500系を8両編成に短縮し、山陽新幹線内で「こだま」運用に使用することになった。
東海道新幹線では、N700系などの500系とそん色のない走行性能の車両が走るようになり、運用に制約がある500系はあまり歓迎されない車両になった。それに500系は車両の製造コストも高かった。
スターであってもスタンダードにはなれなかったのが、500系である。8両編成になったあとの500系は最高時速285kmとなり、本来の性能を抑制されることになった。
東海道・山陽新幹線を直通する500系「のぞみ」は、2010年2月に運用を終了した。