「俺の血と汗が税金でこんなに持っていかれるなんて…」65歳定年夫、退職金2,600万円とiDeCoの〈同時受給〉で課された重税。妻「慰める言葉もありません」

「俺の血と汗が税金でこんなに持っていかれるなんて…」65歳定年夫、退職金2,600万円とiDeCoの〈同時受給〉で課された重税。妻「慰める言葉もありません」

退職金とiDeCoの出口戦略の重要性

大手企業や長年勤め上げた会社員であれば、定年時の退職金だけで国が定める退職所得控除の枠をほとんど使い切ってしまうケースが少なくありません。その状態のままiDeCoの一時金を同じタイミングで重ねてしまうと、控除の恩恵を受けられず、大きな課税負担が生じるリスクが高まります。

さらに近年、この出口戦略を難しくしているのが、相次ぐ税制改正の存在です。

多くの確定拠出年金加入者が、まとまった資金を一度に手にできる「一時金」での受取を選びがちですが、最後の最後で手取り額を大きく減らさないためには、受け取る時期をあらかじめ綿密に設計しておく必要があります。こうした想定外の税負担を回避するためのアプローチとしては、以下のような賢い受取時期の調整や工夫が求められます。

◎年金形式での受取を選択する:一時金として一括で受け取るのではなく、毎月あるいは定期的に分割して受け取ることで、退職所得控除ではなく「公的年金等控除」の枠を活用する方法です。

◎受取の時期を戦略的にずらす:もし、iDeCoの老齢一時金を先に受け取り、その後に会社の退職金を受け取る計画にするならば、税制改正(通称10年ルール)を踏まえ、原則として「10年以上」の間隔を空ける必要があります。逆に、ハヤシさんのように会社の退職金を先に受け取り、その後にiDeCoを一時金で受け取るルートを選ぶ場合は、退職所得控除の重複調整を避けるために原則として「20年程度」もの膨大な間隔を空けなければなりません。

会社退職金が先の場合、実務上20年も空けるのは現実的ではないケースが多いため、一時金と年金形式を併用して受け取るといった柔軟な計画も選択肢に入ってきます。

iDeCoは老後資金づくりにおいて有効な選択肢ですが、積立期のメリットだけに目を奪われるのは危険です。人生の終盤において、自分の会社の退職金制度がどうなっているのか、どのようなスケジュールで受け取るのが最も手元にお金を遺せるのか。退職が視野に入った段階でシミュレーションを行い、トータルの手取り額を最大化させるための「出口設計」を行うことは、不可欠なマネーリテラシーといえるでしょう。

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