染谷将太さんと唐田えりかさんが語る「ホラーが教えてくれること」生きている実感が持てないのは、いま、幸せである証拠なのかも

染谷将太さんと唐田えりかさんが語る「ホラーが教えてくれること」生きている実感が持てないのは、いま、幸せである証拠なのかも

ホラー作品、好きですか?

一口にホラーといっても、オカルトやサイコ、クリーチャー(=非実在の生物。転じて、それが登場する作品)、隔絶された場所で起こる恐怖を描いた「村もの」など、近年、そのカラーは実に多彩。フィジカルに衝撃を与える作品があれば、ストーリーを追いながらじわじわと恐ろしさが沁みるタイプの作品もあり、いっそう充実したジャンルになりつつあります。

7月17日に公開される映画『チルド』もまた、現代人なら誰もが実感する、ある“恐怖”を通して現代社会の暗部を射抜いた作品。出演した染谷将太さん、唐田えりかさんが、作品独自の世界観について語ります。

怖さの裏に、鋭さとおかしみがある。
身近な場所で、人間の本質に迫った作品

初共演の唐田さんは「立っているだけでエネルギーが伝わってくる人。そして、スイッチが入ってからの瞬発力もすごい」と染谷さん。唐田さんは「染谷さんは役と普段との垣根がなく、ご自身のままで話しているようで、とてもナチュラル。向き合うシーンでは、染谷さんがお芝居するように私も演じようと思っていました」と実感を振り返った。

「ホラー映画、好きですね。幽霊が出てくるものも、クリーチャーものも、人間が恐ろしいものも、おもしろい作品だったら何でも。ホラーを見ていると、怖いけれど、どこか笑ってしまうような瞬間もあったりして、そういう紙一重なところも魅力だと思っています」(染谷さん)

染谷将太さんがホラーを見るのは、もっぱら劇場で。おひとりでも、ときには妻で俳優の菊地凛子さんとも鑑賞することがあるそうです。

「あるアメリカの監督作品を劇場で観たときは、ファンの方がたくさん来ていて、上映中もたびたび笑い声が上がっていた。終わった後は客席から拍手が起こって、とても盛り上がったのが印象に残っています」(染谷さん)

同じく、ホラー好きを自認するのが、唐田えりかさん。

「幽霊系は少し苦手ですが、『CURE』(1997年・黒沢清監督)や『哭声/コクソン』(2016年・ナ・ホンジン監督)のように人間の恐ろしさを描いた作品は、すごく好き。昔の名作はどうしても家のモニターで見ることになりますが、私もなるべく映画館で観られたらいいなと思っています」(唐田さん)

おふたりの初共演作として717日に公開される映画『チルド』は、コンビニエンスストアを舞台に展開するモダンホラー。接客も運営も高度にマニュアル化されたシステマティックな場で働く人々、その動きや感情までもが次第にルールに支配され歪んでいく様子がクールに描かれています。

「ホラー映画という前置きだけを聞いて脚本を読ませていただきましたが、見慣れたコンビニを舞台にして、こんなにも新しく、そして鋭く現代を描けるんだなと。ホラーでありながら、人間という生き物の本質に迫っている作品だと感じました」(染谷さん)

「まず最初に『おもしろっ!』と興奮しました。ほぼ毎日通っているような身近な場所で恐ろしいことが起こっていくというのも興味深かったし、怖さの中にあるおかしみの具合もとても好みで、楽しく読みました」(唐田さん)

どんな時も冷静に〝無〟であろうとする主人公は自分と近いかもしれない(染谷さん)

有形無形のルールに屈していく人間のありさまに震え上がる『チルド』。しかし、撮影中は「すごく穏やか。同世代が多くて和気あいあいとした、笑いが絶えない現場でした」と染谷さん。「変な緊張感がなく、無言でいても大丈夫なくらいの雰囲気。空気感が似ている人が多かったのかもしれません」と、唐田さんも終始、リラックスして過ごせたという。

作品のキャッチフレーズは、《生きながら、死んでいる》。染谷さん演じるコンビニ店員の堺は、まさにそれを体現する人物といえます。静かな狂気を滲ませて店を支配するオーナー(西村まさ彦・演)と店のルールに逆らわず、ただ1日を無事にやり過ごす。そんな彼を、染谷さんは「〝無〟の人」と捉えました。

「周りで何が起きても、それをしっかりと受け止めることをしないし、自分からは何もしない。徹底的にシステムの中で生きていく人で、そこにそら恐ろしさもありますが、逃げているようで逃げていないという微妙なスタンスもとっている。ある種、器用な人間にも思えるし、どんな環境でも冷静を保っていられる部分には、少なからず共感も覚えました。自分自身が、撮影現場にいるときの居方に近いところがあるというか……とくに緊張しやすい場面では、僕もなるべく無の状態でありたいと思っているので」(染谷さん)

冷温停止の状態にある堺とは対照的に、唐田さん演じる小河は〝熱〟を発する人。堺の働くコンビニにアルバイトとしてやってきた彼女は、人としてまっとうな正義感を発揮し、淀んだ店の空気を動かしはじめます。

「唯一、意志をしっかり持った人間なので、まずは物語にスパイスを与える存在になろうと思いました。私と似ているところは、意見をはっきり言うところ? どんな場面でも自分の言葉で語りたい、彼女とのそういう共通項を大事にしながら、小河というキャラクターに挑んでいきました」(唐田さん)

提供元

プロフィール画像

大人のおしゃれ手帖web

雑誌「大人のおしゃれ手帖」のオンラインメディア。50代女性が「今」知りたい情報をタイムリーにお届け。暮らし、健康、おしゃれをブラッシュアップするヒントがいっぱいです! 家事に役立つ知恵や、毎日の料理に活かせるレシピ、いつもごきげんでいられるための健康・美容法など盛りだくさん。人には聞きづらい更年期のお悩みに応える記事も充実しています。

あなたにおすすめ