◆ガンホーが抱える経営の課題は…
「パズル&ドラゴンズ」のガンホーも厳しい状態が継続する形です。2期連続の減収、営業減益で、2025年度の営業利益は7割も減少しました。主力タイトルの「パズドラ」が苦戦していることに加え、子会社グラビティの「ラグナロク」シリーズも停滞中。2025年10月から12月は連結で8億円を超える赤字を出しています。ガンホーは物言う株主のストラテジックキャピタルから、「パズドラ」追随の柱を生み出すことができなかったなどと批判されました。
国内のモバイルゲーム市場中心の開発から、家庭用ゲーム機・PC向けへと方針を改め、競争力の強いアクションゲームの分野で新規IPの創出を図る構えをみせます。しかし、2025年12月にリリースした新作「LET IT DIE: INFERNO」は売れ行きが今一つで、ストラテジックからは失敗だったと厳しく糾弾されました。
モバイルゲーム開発からゲーム機へと軸足を移す動きは、ガンホー以外にも見られます。スクウェア・エニックスは運営するタイトル数を大幅に縮小し、様々なゲーム機に対応したマルチプラットフォーム型の大型タイトルの開発に注力します。
補助金を獲得して海外展開を急ぐディー・エヌ・エーは、「Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)」が大ヒットしました。このゲームは全世界で累計2億ダウンロードを突破した模様です。しかし、リリース直後は四半期でユーザー消費額が900億円を超えていたものの、現在は2026年1月から3月は400億円台。他のゲームと比べると高い水準を維持しているものの、勢いは陰りを見せます。ディー・エヌ・エーはゲーム開発のサイクルを高速化し、ヒット作を生み出す体制を構築する運びです。
◆好調を維持するサイバー。勝因は?
MIXIやディー・エヌ・エーのようにモバイルゲームで一時代を築いた会社で、現在も堅調な業績を維持しているのがサイバーエージェント。2026年9月期上期のゲーム事業は47.4%の増収、営業利益は約2.1倍に拡大しました。サイバーエージェントのゲーム事業は自社IP、他社IP、モバイル、ゲーム機向けとポートフォリオを分散していることが特徴。自社IPの「ウマ娘 プリティーダービー」は海外向けの英語版がヒット。カジュアルゲーム開発も旺盛で、子会社GOODROIDのゲームは累計で6億ダウンロードを突破しています。モバイルゲームにおいては、海外展開にも成功しているのです。
他社IPでは、バンダイナムコと共同開発した「SDガンダム ジージェネレーション エターナル」が人気を集めました。ゲーム機向けでは今年7月に期待の新作「GRANBLUE FANTASY: Relink – Endless Ragnarok」が発売されます。
サイバーエージェントはメディア事業の黒字化に成功。IPを中核に置いた成長戦略を描いており、ゲームで生み出されたIPの影響力をメディアの力で拡大することができるようになりました。勢いに乗っている会社だと言えるでしょう。
<TEXT/不破聡>
【不破聡】
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界

