「ウチの土地に3cm入ってきてる!」“境界線クレーマー”の隣人が「態度を180度変えて」接してくるようになったワケ/日本の土地の約半分は境界があいまい? 国土交通省の資料を掘り下げた結果

「ウチの土地に3cm入ってきてる!」“境界線クレーマー”の隣人が「態度を180度変えて」接してくるようになったワケ/日本の土地の約半分は境界があいまい? 国土交通省の資料を掘り下げた結果

◆■隣人トラブルの背景に、日本の土地事情?

彩乃さんのエピソード、この記事には書ききれなかった、もっと複雑な事情があったのかもしれません。

「隣の家と揉めるなんて、ドラマの話でしょ?」と思われるかもしれませんが、こうした境界をめぐるトラブルは決して珍しい話ではないようです。

そもそも、私たちが住んでいる土地の境界は、どれくらい正確に把握されているのでしょうか。

国土交通省が令和8年6月に公表した資料によれば、令和7年度末時点における全国の地籍調査対象地域の進捗率は……なんと53%にとどまっているのです(出典:国土交通省)。

「地籍調査」とは、一筆ごとの土地の所有者、地番、境界、面積などを調べる、いわば「土地の戸籍調査」。昭和26年から70年以上続けられている国家事業です。

隣人トラブル
※画像は生成AIによるイメージです
それでもなお、日本の土地の約半分は、いまだに「ここからここまでが誰の土地か」がきっちり確定していない状態ということになります。しかも内訳を見ると、人口が集中している市街地(DID)の進捗率はわずか27%――つまり約7割の土地で、境界がまだ確定していないというのです。私たちの生活圏こそ、実は境界があいまいなままなのかもしれません。

そもそも、日本の土地の記録の多くは、明治時代の地租改正(明治6年〜)で作られた図面がもとになっており、測量精度も現代の基準からすればあいまいとされています。最終的には隣家同士で立会い、納得したうえで杭を打つしかない――というのが、境界問題の実情のようです。

つまり、境界トラブルは「揉める家がおかしい」のではなく、日本の土地事情そのものに起因する、根深い問題とも言えそうです。

土地に限らず、ご近所トラブルは誰の身にも起こりうるもの。彩乃さんの一件は、そんな身近な問題を改めて考えるきっかけになるかもしれません。

隣人トラブル
※画像は生成AIによるイメージです
<再構成/日刊SPA!編集部>

【八木正規】
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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