◆「うっせぇな、ちっ」──注意したら返された信じがたい言葉
ついに限界を迎えた細川さんは、少し大きめの声で男性に向かってはっきりと告げたそうです。「スミマセン! 足が当たってるんですけど。足組まないでもらえます?」
隣の男性は寝ぼけたような様子で「うっせぇな、ちっ」という、あまりにも乱暴な言葉を返してきました。細川さんはその反応に一瞬思考が止まったといいます。
「え、この人何者?って思いました。呆気に取られてしまって、一旦どうしようかと考えたんですよ」
もしかしたらヤバイ輩なのかもしれないと思った細川さんは、それ以上の口論は避けたのですが、男性のいやがらせのような行為はそれでも止まりません。再び我慢の限界に達した細川さんは、先ほどよりきつい口調で強気に出ることにしました。
「ズボン汚れてるんですけど。車掌呼びますか?」
◆「す、すみません。気をつけます」──豹変した男の末路
車掌という言葉が効いたようです。さきほどまでは寝ぼけた様子だった男性は、目を見開き完全に覚醒し態度が急変したそうです。「す、すみません。ごめんなさい。気をつけます」と細川さんの方を向いて真顔で謝罪したその男性。今までの態度が嘘のように、足を揃えて手を膝の前に重ねておとなしく座り直したとのことです。
それ以降は何も起きず、細川さんは目的地の米原まで、ようやく仮眠を取ることができたそうです。
「正直、最初から車掌のカードを切れば早かったんでしょうけどね(笑)。でも穏便に済ませたくて引っ張ってしまいました。次からはもう少し早めに動こうと思いました」
公共交通機関でのマナー違反は、注意した側がリスクを負わされるケースも少なくありません。それでも毅然とした対応が、相手の態度を変えることもあることも事実。細川さんのエピソードは、そんな現実を示してくれました。やっぱり正義は勝つのかもしれませんね。
<TEXT/八木正規>
【八木正規】
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営

