W杯アルゼンチン選手が政治的な横断幕→決勝出られない? 五輪サッカーでも韓国選手が領土主張を掲げたが

いよいよ大詰めとなったサッカーワールドカップ(W杯)。7月15日(日本時間16日)、アメリカ・アトランタで行われた準決勝で、アルゼンチンがイングランドを2-1で下し、2大会連続の決勝進出を決めた。

W杯準決勝の試合後、アルゼンチン選手が掲げた横断幕(写真:ロイター/アフロ)

0-1で劣勢だったアルゼンチンが後半40分、そしてアディショナルタイムに得点を重ねての劇的な逆転勝利──だが、世界の注目は別のところに集まっている。

英首相官邸「W杯は獲れずとも、フォークランド諸島は我々のものだ」

この試合後、ジョバニ・ロ・セルソが観客席から横断幕を受け取り、リサンドロ・マルティネスやクリスティアン・ロメロら複数の選手とともにスタンドに向けて掲げた。

そこには「Las Malvinas son Argentinas(マルビナスはアルゼンチンのもの)」と書かれていた。

マルビナスとは、イギリス領フォークランド諸島のアルゼンチン側の呼称である。

アルゼンチンとイギリスの間では、1982年にこの諸島の領有権をめぐって74日間の紛争が勃発し、両国で多数の戦死者を出している。

今回の行動は、そんなイギリスの構成国であるイングランドを破った直後の行動だったのだ。

イギリスのカイル事業・貿易相はFIFA規則への「ひどい違反」と非難し、退任を目前に控えるスターマー首相の官邸も、

「W杯は我々のものにならなかったかもしれないが、フォークランド諸島は間違いなく我々のものだ」

との皮肉まじりの声明を出した。

一方、アルゼンチンのミレイ大統領は選手たちの行為を「まったく正当」と擁護している。

また、アルゼンチンにとって、この違反は初めてのことではない。

2014年6月、ブラジルW杯の壮行試合としてブエノスアイレスで行われたスロベニアとの親善試合でも、同じ文言の横断幕を掲げ、アルゼンチンサッカー協会(AFA)に罰金が科されている。

さらに、今大会の準々決勝スイス戦後、ロッカールームで「Por Malvinas, por el Diego, por la última de Leo(マルビナス=フォークランド諸島のため、ディエゴのため、レオ=メッシ最後のW杯のために)」と歌う様子がSNSで拡散されたばかりだ。

FIFAは、スタジアムでのスポーツイベントにふさわしくないメッセージ、とりわけ政治的、思想的、宗教的、または攻撃的な性質のものを禁じており、16日に規律委員会が試合報告書を精査していると表明した。

スペインのロドリ&モラタ、韓国の朴鍾佑は出場停止に

ここで思い出されるのが、皮肉にも19日(日本時間20日)に行われる決勝の相手・スペインの前例だ。

EURO2024でイングランドを破って優勝したスペイン代表のスター、ロドリとアルバロ・モラタは、マドリードのシベーレス広場で行われた祝勝イベントで「ジブラルタルはスペインのもの」とチャントを歌い、欧州サッカー連盟(UEFA)から1試合の出場停止処分を受けた。

また、日本のサッカーファンなら、2012年ロンドン五輪の3位決定戦・日本戦後に「独島(竹島)は我が領土」のプラカードを掲げ、FIFAから国際Aマッチ2試合(2014年W杯予選)の出場停止を受けた韓国の朴鍾佑(パク・チョンウ)の事例を記憶している人も多いだろう。

これらのケースと同じ基準を当てはめれば、政治的な横断幕を掲げたアルゼンチンの主力たちは、決勝のピッチに立てない可能性も出てくる。

配信元: J-CASTニュース

あなたにおすすめ