急な出費が命取りに…「貯金700万円」という頼りない“命綱”
今では年金の範囲内どころか、貯金を取り崩す月も出始めています。「毎月少しでもお金を残す」ことが安心感につながっていたヨシコさん。その余裕がなくなり、焦りを覚えました。また、手元にある700万円の貯金も、決して安心できる額ではありません。
「もし体を悪くして入院したり、急に家の修繕費が必要になったりしたら。まだ貯金があるとはいえ不安で、不安で……」
ヨシコさんの貯金700万円は、今後の医療費や介護費、住宅の修繕などを考えれば、決して安泰とはいえません。特に生活コストが割高な東京において、個人の節約努力だけではどうにもならない物価高の波により、年金暮らしの高齢者は「老後破綻」の不安を抱える現実に直面しているのです。
終わりの見えない値上げラッシュは、個人の節約努力だけで立ち向かうには限界があります。だからこそ、公的支援や資産活用を積極的に検討し、厳しい時代を乗り切っていきましょう。
昨今の物価高対策として、東京都では「東京都公式アプリ(東京アプリ)」を通じた生活応援事業を実施しています。NFC対応スマートフォンとマイナンバーカードを持つ15歳以上の都内在住者であれば参加でき、ヨシコさんのような物価高騰に直面する都民の心強い味方になるでしょう。
また、医療費への不安に対しては、すでに75歳を迎えたヨシコさんも加入している「後期高齢者医療制度」が助けとなります。年金収入が月11万円であれば窓口での自己負担割合は原則1割で済み、高額療養費制度によって月々の負担上限額も低く抑えられます。
さらに、ヨシコさんのように一軒家を東京に所有している人は、いざというときの最終的な備えとして「リバースモーゲージ」の活用も視野に入れておきましょう。今住んでいる自宅を担保にして融資を受け、亡くなったあとに自宅を売却して借入金を一括返済する仕組みです。地価が高い東京であれば価値もつきやすく、住み慣れた家を手放すことなく老後の生活資金や修繕費を確保できる有効な手段となり得ます。ただし、金利上昇や「長生きリスク」によって、想定以上に利息負担が増える可能性や、不動産価値の下落によって融資限度額が引き下げられるリスクに注意し、慎重に判断することが大切です。
[参考資料]
総務省「消費者物価指数 東京都区部2026年(令和8年)6月分(中旬速報値)」
