空前の「糖質制限ブーム」に医師が警鐘。自らを実験台に“2週間計測”して分かった、血糖値コントロールの盲点

空前の「糖質制限ブーム」に医師が警鐘。自らを実験台に“2週間計測”して分かった、血糖値コントロールの盲点

◆食後に上がった血糖は脚の筋肉に吸収させる

リブレを装着
リブレはAmazonで購入可能(7月14日時点)。中心に小さな針があるパッチを腕につける。計測された血糖値はスマホから確認できる
食べる時間帯や体のコンディションも、血糖値の変動に大きな影響を与えている。

「当直の日であっても、十分に睡眠をとっていれば血糖値はそれほど上がりませんでした。

しかし、当直明けの疲労が溜まっているタイミングや、夜間に食事を摂ると血糖値が急激に上昇しました。

基本的には、同じメニューであっても夜間に食べると血糖値が上がりやすいため、夕食はできるだけ少なめに抑えるのが賢明です。

これは睡眠の質の向上にもつながります。昔から言われている健康法ですが、まさにその通りだと実感しました」

血糖値を下げるには、食事だけでなく運動も有効だという。

「食事内容を変えるのが難しい人は、食事前後で軽い運動をするだけでも効果はあります。

研究によると、食後すぐに10分間の散歩をするだけで、血糖値の上昇を数十%抑えられるとされています。実際、私も食べたあと座って仕事をしていると血糖値が上がってしまいますが、10分間早歩きをするだけで上昇を抑えられました。

体を動かすと、脚の筋肉の細胞の表面に血糖を吸い込むセンサーが現れ、上がった血糖を、筋肉が吸収してくれます。

立ったままでいるだけでも、血糖値の上昇をかなり防ぐことができます。仕事上、避けられない会食があっても、終わってから10分ほど歩くだけでも効果があります。

『食後にすぐ寝ると牛になる』という言い伝えがありますが、血糖値をコントロールするための知恵だったのではないかと思うほどです」

◆試行錯誤の末にたどり着いた健康法

血糖値との上手な付き合い方を模索する中で、山本氏はどのような食生活を送っているのだろうか。

「私自身、脂質を多く摂るケトジェニックダイエットや、肉だけを食べるカーニボアダイエットなど、さまざまなダイエット方法を試しましたが、最終的にたどり着いた結論は『バランスのいい食事を心がけ、筋トレと有酸素運動を交互に毎日行う』ことでした。

私が普段アドバイスをしている患者さんや経営者の方々もそうですが、みなさん極端なダイエット方法に飛びつく傾向があります。たしかに、努力している感は得られやすいですし、短期的には効果が出るかもしれませんが、長期的にはリスクが大きいです」

さまざまなダイエットや実験を経た山本氏は、日々の血糖値コントロールの大切さをが改めて強調する。

「血糖値が急激に跳ね上がる『血糖スパイク』は、血管を傷つける原因になります。

高血糖の状態が続けば糖尿病を発症しますし、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気のリスクも高まります。

糖尿病は、確実に寿命を縮めてしまう恐ろしい病気です。だからこそ、日々の食事方法やこまめな運動で血糖値を上手にコントロールし、生涯にわたる健康を守っていきたいですね」

<取材・文/松浦さとみ>

【松浦さとみ】
韓国のじめっとしたアングラ情報を嗅ぎ回ることに生きがいを感じるライター。新卒入社した会社を4年で辞め、コロナ禍で唯一国境が開かれていた韓国へ留学し、韓国の魅力に気づく。珍スポットやオタク文化、韓国のリアルを探るのが趣味。ギャルやゴスロリなどのサブカルチャーにも関心があり、日本文化の逆輸入現象は見逃せないテーマのひとつ。X:@bleu_perfume
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