◆大谷が投げないなら…PCAに受賞の可能性も
一方、大谷は打てなければ、その日の上積みが限られる。バットが湿っても、守備や走塁でチームの勝利に貢献できるPCAとは立場が異なる。現地ファンからは「今後投げなくても、これまで投手として残した成績が無効になるわけではない」と、大谷を支持する声もあった。前半戦に投打で積み上げた価値が評価されるのは当然だろう。
ただし、「大谷が完全にDHのマイナス補正を背負うなら、PCAがトップに立つ」「大谷が投げないなら、PCAにも受賞を主張できる道がある」との見方が出ているのも事実だ。
大谷の知名度や、二刀流が球界に与えてきた衝撃は圧倒的である。だが、WARが僅差である以上、PCAの追撃を人気や物語だけで片付けるべきではない。
◆今後の焦点となるのは「投手・大谷」の復帰時期か
今後の焦点は、大谷の登板見合わせがどこまで長引くかだ。早期に復帰できれば、再び投打の両面から価値を積み上げられる。一方、復帰が9月以降へずれ込む、あるいはポストシーズンを優先してレギュラーシーズンの登板を控えるようなら、打者としてPCAを上回るだけの成績が求められる。
2024年、大谷は指名打者一本でMVPに輝いた。ただし、あの年には史上初の「50本塁打、50盗塁」という、投票の議論をほぼ終わらせるほどの実績があった。
今後、もし指名打者としての出場が主となるなら、後半戦は相応の打棒が求められる。登板へ向けた調整や疲労が減ることが、打撃にプラスに働く可能性はあるものの、左膝の状態がスイングへ影響しないことが前提となるだろう。

