老齢厚生年金を繰り下げると、「加給年金」は受け取れない
チャ太郎:意外な落とし穴のことですね。具体的にはどんなことですか?
みなみ先生:加給年金や振替加算との関係です。
チャ太郎:配偶者が65歳までもらえる家族手当みたいなものですよね?
みなみ先生:そうです。加給年金は老齢厚生年金にくっついて支給されるので、老齢厚生年金を繰り下げると、その間は加給年金も受け取れません。例えば図表3のように5年間繰り下げると、その分まるごと加給年金がカットされます。
[図表3]繰下げすると「加給年金」を受け取れない 出典:『知りたいことがぜんぶわかる! 定年前後のお金の超基本』(Gakken)より抜粋
チャ太郎:約210万円はちょっと痛いかも……。できれば避けたいです。
みなみ先生:これを避ける対策として有効なのが、「老齢基礎年金だけを繰り下げる」という方法なんです。
チャ太郎:この場合も片方繰下げが裏技になるんですね!
[図表4]片方繰下げで加給年金をしっかりもらう 出典:『知りたいことがぜんぶわかる! 定年前後のお金の超基本』(Gakken)より抜粋
みなみ先生:図表4のように、夫は老齢厚生年金を65歳で受け取り、老齢基礎年金のみを70歳まで繰り下げれば、「加給年金の受取り」「繰下げによる増額」と両方のメリットを受けられます。
チャ太郎:なぜこのようなことができるんでしょうか。
みなみ先生:加給年金は老齢厚生年金に対する加算で、セットで支払われるからです。つまり、老齢基礎年金とは連動していないんです。
チャ太郎:だから、老齢基礎年金を繰り下げても影響を受けないんですね。
みなみ先生:加給年金も受け取りたいし、繰下げをして年金額も増やしたいというときは、老齢基礎年金のみを繰り下げればいいわけです。
チャ太郎:両方を繰り下げて損をするのは避けたいので、覚えておきます!
「振替加算」を受け取りたいときは、老齢厚生年金を繰り下げる
[図表5]片方繰下げで振替加算をしっかりもらう 出典:『知りたいことがぜんぶわかる! 定年前後のお金の超基本』(Gakken)より抜粋
みなみ先生:一方で、振替加算はどうでしょうか。図表5を見てみましょう。振替加算は配偶者(この場合は妻)の老齢基礎年金に紐づく加算です。妻は65歳から老齢基礎年金を受け取り、繰下げをする場合は老齢厚生年金のみを繰り下げれば、振替加算を受け取ることができます。
チャ太郎:ですが、確か振替加算はわたしたち世代ではもらえないか、もらえたとしてもごくわずかな金額でしたよね。繰下げをして年金額を増やすほうがお得なこともあるんでしょうか。
みなみ先生:そうなんです……。特に若い世代になるほど、受け取れる金額は少ないので、シミュレーションが必要になりますね。
