◆顧客層を拡大する施策を投入するも…
出店場所も苦戦した要因の一つだと考えられます。「Nプラス」は、ショッピングモールへの出店が中心。これは機会来店を狙ったものでしょう。機会来店とは、偶然立ち寄るタイプの顧客のこと。買い物の途中で衝動的に来店するケースを想定しています。この反対が目的来店。「このお店で買い物をしたい」という来店動機を持っている顧客を指します。
ニトリが「Nプラス」に多額の広告費をかけていたようには見えません。競合ブランドがひしめくショッピングモールを訪れる人々の、衝動買いに期待したものと考えられます。しかし、よほどの差別化要因がなければ埋もれてしまいます。
機会来店を巧みに捉えているのが「しまむら」。ホームセンターやスーパーマーケット、ロードサイドなど、人々のあらゆる生活動線に入り込んでいます。「しまむら」は販売する商品と出店戦略がうまくかみ合っているのです。
「Nプラス」はリブランドにより、30代女性へとターゲットを広げるとしています。しかし、それによって誰向けのブランドなのかがわからなくなり、迷走する可能性もあります。ニトリは本業の家具・インテリア事業以外に、アパレル事業にどこまで経営資源を配分するかも焦点になります。
インテリアの延長として、家庭内の汚れや洗剤を跳ね返すような掃除用の服や、快適に眠れるパジャマ、蒸れに強いスリッパや靴下など、暮らし全体をトータルコーディネートする提案が企業のカラーに合っているような印象を受けます。
<TEXT/不破聡>
【不破聡】
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界

