
令和8年3月31日に成立した「令和8年税制改正」。今年の改正では主に、税金や扶養、医療費のルールが見直され、扶養面では「130万円の壁」の判定基準が見直されました。そこで本記事では、福地健氏が監修を務めた『いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2026-2027年最新版』(インプレス)より、令和8年税制改正における「扶養」の変更ポイントについてくわしくみていきましょう。
「130万円の壁」ルールが緩和…「契約書ベース」での判断に
2026年4月から社会保険の扶養に入る「130万円の壁」の判定基準が「年間収入見込み」から「労働契約に基づく年収見込み」へと切り替わりました。今後は契約書の内容が基準となるため、残業等で一時的に壁を超えても、扶養に留まれます。
例えば、年収130万円未満(週20時間勤務※)の契約で働く人が残業等で結果的に135万円になった場合、改正前は扶養から外れて年約32万円の社会保険料の支払が必要でした。今後は契約書通りに判定されるため、原則このようなケースでも保険料の負担は発生しません。
※ 従業員数50人以下の会社の場合
[図表1]2026年4月1日から「130万円※」の判定基準どう変わる? 出所:『いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド2026-2027年最新版』(インプレス)より抜粋※ 従業員数50人以下の会社の場合。従業員数51人以上の場合は、週20時間未満
変更によってどう変わる?
□時間外労働や臨時賞与などが発生した場合、一時的な収入の変動と認められれば年収の壁を超えても扶養と判断されるケースがある
□年に1回は、扶養者(例えば夫)の会社(健康保険組合など)から定期確認がある。その際「労働契約書(労働条件通知書など)」の提出が必要な場合も
□時給が上がったり、勤務日数が変わったりしたときや、期間延長(自動更新など)の時でも「最新の労働契約書(労働条件通知書など)」を扶養者の会社へ提出する
[図表2]例えば……扶養範囲内130万円未満の契約条件(週20時間勤務)で働く人が、一時的に135万円になった場合 出所:『いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド2026-2027年最新版』(インプレス)より抜粋
「年収の壁」の仕組みは〈税金〉と〈社会保険料〉で異なる
扶養における「税金」と「社会保険料」の壁は、下図の通り、仕組みが大きく異なります。
[図表3]扶養されている人の「税金」「社会保険料」の壁は? 出所:『いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド2026-2027年最新版』(インプレス)より抜粋
税金面では、本人に課される所得税と住民税のほかに、扶養者側の配偶者に関わる配偶者控除や配偶者特別控除の基準も年収によって変わるため、両面での確認が必要となります。
一方、社会保険料は企業規模と年齢で基準が変わります。50人以下の会社でパートなどで働く60歳未満の場合は130万円以上で社会保険料の負担が生じる一方、60歳以上の場合は180万円未満まで「負担なし」となります。
