「いったい誰なんだ…」孤独死した72歳叔父の〈遺産3,000万円〉をめぐり45歳甥が絶句。突如浮上した、顔も名前も知らない〈まさかの相続人〉【弁護士が解説】

「いったい誰なんだ…」孤独死した72歳叔父の〈遺産3,000万円〉をめぐり45歳甥が絶句。突如浮上した、顔も名前も知らない〈まさかの相続人〉【弁護士が解説】

配偶者や子どものいない「おひとり様」の相続では、しばしば「見知らぬ相続人の存在」がトラブルの火種になります。叔父の相続に立ち会ったケイスケさん(仮名・45歳)も、まったく交流のない〈顔も名前も知らない相続人〉の存在に頭を抱えました。弁護士法人山村法律事務所の代表弁護士・山村暢彦氏が、「おひとり様」の相続で注意すべきポイントについて解説します。

72歳叔父が孤独死…遺品整理で見つかった「3,000万円」

「叔父さんが自宅で倒れて亡くなっていると、警察から連絡がありました」

都内に住む会社員のケイスケさん(仮名・45歳)が、神奈川県のアパートで一人暮らしをしていた叔父・ミツルさん(仮名・72歳)の孤独死を知らされたのは昨年のこと。ミツルさんは死後数日で発見され、ケイスケさんは急いで駆けつけ、身元確認から葬儀、納骨までを慌ただしく済ませました。

ミツルさんは生涯独身を貫き、子どももいません。ケイスケさんの父親(ミツルさんの兄)や祖父母はすでに他界しているため、甥であるケイスケさんが唯一の親族として、日頃から叔父の様子を気にかけていました。

四十九日を終え、ケイスケさんがミツルさんのアパートで遺品整理をしていると、引き出しの奥から銀行の通帳が見つかりました。残高を確認すると、約3,000万円と記載されています。

「身内はもう自分しかいないから、俺がこのまま相続手続きをすればいいだろう」

ミツルさんは遺言書をのこしていなかったため、ケイスケさんは預金の解約手続きを進めるべく、司法書士事務所へ相談に訪れました。しかし、そこで告げられたのは、ケイスケさんの予想を裏切る事実でした。

司法書士の調査でわかった「顔も名前も知らない相続人」の正体

司法書士が叔父の出生から死亡までの戸籍を調査したところ、思いもよらない人物の存在が浮上しました。ケイスケさんの祖父(ミツルさんの父親)が若いころ、別の女性との間に子どもをもうけ、その子を「認知」していたというのです。

「えっ……。いったい誰なんだよ……」

「おじいさまに認知されたお子さん、つまりミツルさんにとっての『異母兄弟』がいらっしゃいました。ミツルさんには配偶者も子どももいないため、相続権はご兄弟に移ります。すでにお父様も異母兄弟の方も亡くなっていますが、その権利は代襲相続として、甥であるケイスケさんと、異母兄弟のお子さんたちに引き継がれます」

異母兄弟には2人の子どもがおり、現在は北海道に住んでいることが判明。ケイスケさんにとっては、顔も名前も知らない「見知らぬ従兄弟」です。

つまり、叔父の遺産3,000万円は、ケイスケさんが一人で相続するわけではなく、一度も会ったことのない北海道の従兄弟たちと遺産分割協議を行わなければ、1円も引き出すことができないというのです。

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