飲食料品の消費税率を2年間限定で1%に下げる方針について、自民党は2026年8月5日の政調審議会で基本方針案を了承した。自民党の古川禎久・幹事長代理(税調副会長)が「党税調・正副役員会に議論を差し戻すべきだ」との意見書を提出した。古川氏は、そもそも消費減税は選挙公約ではなかったという。
(聞き手:ジャーナリスト 菅沼栄一郎)
選挙公約集には「検討を加速する」という文言が了承された、とある
―― 消費減税は「選挙公約」ではない、と古川さんの「意見書」にはありました。
「今年の衆院選の直前、総理が急に『消費減税』をおっしゃったけれども、党の最高意思決定機関である総務会では消費減税の反対論が出て、公約にはなりませんでした。だからこそ公約集には『国民会議での検討を加速する』とだけ書かれたのです」
「国民の皆さんからすれば、今さら公約じゃないなんて言われても納得できないのはわかります。しかし、公約だからやる、という議論は間違っていると思います。その後、公約の通り『検討を加速』した結果、国民会議で消費減税案はまとまらず、また自民党税調・正副役員会でもほぼ反対意見でした。ところが一転、8月3日の合同会議で『公約通り実行すべきだ』という意見が多数をしめ『一任』となったというのが経緯です」
国民が公約みたいに受け取っている、悲願とか、言っちゃったから
―― いまの経済情勢では消費減税は必ずしも得策でないとの認識も、有権者に 出て来たんじゃないですか。
「大事なことは、物価高で苦しむ国民のために何が良いのか、ということです。消費減税なのか。それとも給付なのか。消費減税にはいくつか問題が指摘されています。たとえば(1)消費減税は高所得者により恩恵が手厚く、中低所得者には重点的な支援にならない。(2)農家・外食・小売りなど民間事業者に多大な負担や混乱が出る。(3)消費税は社会保障財源。物価対策に使うべきではない。(4)いったん税率を下げたら元に戻せないリスクが高い。などです。選挙後、中東情勢も激変し、熊本地震も起きています。国民にとって何が一番よいか。これを見失ってはいけないと思います」