◆「チョコモナカジャンボ」は好調をキープ
一方、ロングセラー商品で好調をキープしているのが「チョコモナカジャンボ」。東芝グループがレシートデータから調査した2026年の「4月、全国・地方別のアイス売れ筋ランキング」では「チョコモナカジャンボ」が売れ筋トップで、シェアは3.43%。この商品は2025年の同じ調査でも1位を獲得しており、シェアは3.44%でした。「チョコモナカジャンボ」は2025年9月1日出荷分から値上げをしていましたが、定番アイスとしての地位を揺るがないものにしているのです。
森永製菓の2026年3月期冷菓事業の売上高は前期比8.4%、営業利益は16.5%の増加でした。この事業は会社の好業績をけん引しています。
「チョコモナカジャンボ」は定番アイスとして広く知れ渡っていますが、時代に合わせた改良を重ねています。重視しているのは競合品にはないコンビネーションのおいしさ。特にパリパリのモナカの食感を大切にしています。
2025年2月にチョコレートの壁を改良。水分からの防御力をアップしました。森永製菓は長い時間をかけて研究開発に邁進しており、定番商品として定着しているのは日々のアップデートがあるからこそのものだと言えるでしょう。
◆価格と価値の維持に挑む「あずきバー」
物価高でも価格改定を行なわず、独自の戦略を突き進んでいるのが井村屋グループ。主力商品の「あずきバー」は2026年3月期に過去最高の売上本数3億3500万本を記録。冷菓カテゴリーの売上高は前期比6.7%増加しました。「あずきバー」は発売から50年を超えるロングセラー商品。年間販売本数は2021年に3億本を突破しました。
「あずきバー」は淡々とリニューアルを行っています。もともと原材料は5種類でしたが、よりシンプルなものにするため、コーンスターチを抜いて4種類にしました。クリーンなラベリングにすることが目的だったということです。
派生商品の開発にも力を入れており、2026年2月に「あずきバー 練乳ソース入り」を発売しました。
今後のポイントは物価高の中で、価格をいつまで維持できるか。赤城乳業は2026年3月1日出荷分から「ガリガリ君」の価格改定を行ないました。税抜き価格で80円から90円に引き上げています。実に8年ぶりの値上げでした。
従業員の賃上げなどを視野に入れると、価格改定は仕方のない部分もあります。しかし、「あずきバー」のようにシンプルな商品の場合は付加価値をのせるのが難しく、買い控えが起こった際に打てる手が限られるでしょう。
定番アイスはインフレによって静かな地殻変動を起こしています。
<TEXT/不破聡>
【不破聡】
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界

