靴の流行は目まぐるしく変わります。厚底、薄底、ロープロファイル……次々と新しいトレンドが生まれますが、シューフィッターとして見ていると「流行っているけれど、毎日履くのはおすすめしない」という靴も少なくありません。
もちろん、ファッションとして楽しむ分にはまったく問題ありません。ただ、「旅行をこれ1足で」とか「長時間の街歩きまで任せる」のは厳しいモデルも正直あります。
ネットでは「これ1足で3万歩歩いても平気」といった声を見かけることもありますが、足の感じ方や歩き方には個人差があります。今回は、そんな「いま流行っているけれど、シューフィッターの私なら毎日は履かない靴」をご紹介します。
◆①「超」厚底リカバリーシューズ・サンダル

このモデルは本来フルマラソンや激しいガチンコのスポーツのあとに、疲れ切った足を「休ませる」ための靴です。疲れてもいない足で履いてしまうと、砂浜の上を歩くように、沈み込みすぎるんです。砂浜の上って、短い距離なら裸足で歩いても気持ちいいですよね? しかし1キロ以上歩くとどうでしょうか? それと同じことです。
歩くためのモデルはHOKAの中でも「クリフトン」「ボンダイ」など、きちんと別にあります。

私自身、「ネンザしないだろうか」とハラハラすることも少なくありません。ウーフォスも疲労回復を目的にしたメーカーではありますが、このモデルは実用よりもファッションに振り切っています。実は公式発表でも明確に「ファッションサンダル」と言い切っており、メーカーに責任はないのですが……ショップで見かけてしまうと、「クッションすごい!」「身長盛れる!」で買ってしまう方がほとんどでしょう。
くりかえしますが「ファッションとして」割り切って履くなら良いのですが、過剰なクッションによって、かえって不安定感も増してしまうので、短い距離限定として使う方がベター。ネットでは「3万歩でも全然疲れない!」みたいなことも言われていますが、どこまでも発信者の“個人の感想”に過ぎないので、鵜呑みにしないようにしましょう。リカバリーサンダルはどちらかといえば「歩くため」ではなく「休ませるため」が目的です。
◆②薄底ロープロファイルスニーカー

「薄底シューズは健康にいい」という話とごちゃまぜにしている方もいますが、べアフットシューズなどのハイテク薄底シューズのメーカーはかなり緻密に計算しています。それも段階を踏んで徐々に薄底に慣らす、といったステップが必要なので、薄底ならなんでも良いという単純な話ではありません。

