ママの自転車選びで気をつけたいこと

ママの自転車選びで気をつけたいこと

第1回 親子の自転車講座
子どもを乗せてサッと走れる自転車は、ママの移動手段の強い味方。でも、新しく自転車を購入するとき、安全面などで悩むことも多いという。そこで、ママが知っておきたい自転車選びのポイントを自転車ジャーナリストの遠藤まさ子さんに聞いてみた。

「自転車に子どもを乗せる場合は、自転車そのものの強度が重要です。特に2人の子どもを乗せるなら、必ず『幼児2人同乗基準適合車』を選びましょう。その際、 “BAA”などの安全マークを目安に選ぶと安心です」
(遠藤さん 以下同)

BAAマークとは、フレーム強度やブレーキの制動性能など、一般社団法人自転車協会が定める約90カ所の検査項目をクリアした自転車に貼付されるマークのこと。サドルの下の縦パイプに貼られている。

新車でもBAAマークありの自転車となしの自転車では、ブレーキをかけてから停止するまでの距離に違いがあるという。幼児2人同乗基準適合車では、BAAマークの真下に『幼児2人同乗基準適合車マーク』が貼付されているので、購入の際に確認しよう。

「フロントチャイルドシートに乗せられるのは15kg(だいたい3歳未満)までです。子どもが2歳後半のときにママ用の自転車を購入するなら、5歳頃まで(体重約20kg、身長115cm以下)乗せられるリアチャイルドシートの方が長く使えます」

ママの自転車選びで気をつけたいこと

ところで、自転車は気軽に乗れる分、メンテナンス方法や交通ルールを知らない人も多い。ママが押さえておくべき点を教えてください!

「空気圧が低いとパンクしやすくなるので、タイヤの空気を週1回は補充しましょう。ブレーキが緩くなったかな? と思ったら、すぐに自転車店で点検を受けてください。ワイヤーが伸びていたり、ブレーキパッドが摩耗したりしているかもしれません。年1回は定期点検に出し、TSマークの更新をするのもオススメです」

TSマークは、自転車安全整備士が点検整備した普通自転車に貼られるマークで、自転車安全整備店で取り扱っている。点検は有料だが、傷害保険と賠償責任保険が1年間ついてくるなどメリットが大きい。

「子どもを自転車に乗せたら、チャイルドシートのベルトはしっかり締めてくださいね。また、定員オーバーは厳禁です。たとえば、幼児2人同乗基準適合車で子どもを前後に乗せたら、赤ちゃんをおんぶした状態での運転はできません(道路交通法違反)。なお、自転車の購入時には、子どもを前後に乗せた状態で自転車を押し歩けるかを確かめることも大切です」

歩道は「自転車通行可」以外は走ることができず、走れないときは子どもを乗せた状態で押し歩かなくてはならない。電動自転車は重量があるので、「押し歩く自信がないなら非電動にするか、自転車を諦める勇気も必要」だと遠藤さんはいう。

最近、赤ちゃんを前抱っこして自転車に乗るママが増えているが、実は道路交通法で認められているのは“おんぶ”だけ。前抱っこは“おんぶ”に比べバランスを崩しやすく危険なので絶対にやめよう。親子で便利に使う自転車だからこそ、購入時も利用の際にも安心安全を心がけていきたい。
(川野ヒロミ+ノオト)

お話をお聞きした人

遠藤まさ子
遠藤まさ子
自転車の安全利用促進委員会
自転車ジャーナリスト。「AllAboutガイド」(自転車・育児用品ベビーカー、三輪車・子供用自転車、抱っこ紐・おんぶ紐にも詳しい。自転車雑誌の編集経験と母親の目線を活かして、読者に役立つ情報提供している。
自転車ジャーナリスト。「AllAboutガイド」(自転車・育児用品ベビーカー、三輪車・子供用自転車、抱っこ紐・おんぶ紐にも詳しい。自転車雑誌の編集経験と母親の目線を活かして、読者に役立つ情報提供している。