「ケータイを子どもから取り上げる」「ケータイの使用を禁止する」というのは、手っ取り早い対処法に見える。しかし、かえってケータイへの執着心を強めてしまうなど、逆効果になることも。
「『何かあったときに取り上げる』のではなく、子どもにケータイを持たせる前に、使い方に関する約束事を決めましょう」
こう教えてくれたのは、「子どもたちのインターネット利用について考える研究会」の高橋大洋さん。具体的に、家庭でどんなことを決めたら良いの?
「子どもたちは大きなトラブルに直面する前に、必ず小さな トラブルを経験しています。その段階ですぐ保護者に相談できるかどうかが、トラブルに巻き込まれるかどうかの大きな分かれ道になります」(高橋さん 以下同)
たとえば、架空請求詐欺や有害サイト、ケータイを使ったいじめ、ネットで知り合った人とのトラブルなどが起こることがある。そんなとき、「ケータイを使っていて困ったこと、怖いことがあったら、すぐに周囲の大人に相談すること」と、あらかじめ子どもに伝えておけば、トラブルを未然に防げるそう。
また、ケータイやスマホを使ったインターネットでの遊びは、ついつい長時間になりがち。けじめをつけさせるには、どうしたら良い?
「目覚まし代わりにケータイを部屋に持ち込む子どもも少なくないですが、「『夜●時になったら電源を切る』など、利用時間の習慣づけを行いましょう。ケータイの与え初めから意識的に取り組むことが大切です」
子どものケータイの使い方に目を光らせることも必要。でも、「子どもたちは親の使い方をよく見ていて、同じようにしたがるもの」と高橋先生は指摘する。
「保護者も『食事中にはメッセンジャーなどに応答しない』『寝る直前の時間帯には使わない』など、インターネットとの適切な距離感を意識して、子どものよいお手本になるように使い方を見直してみてください」
子どもにケータイを持たせるなら、「使用しつつ、徐々にルールを決める」のではなく、あらかじめきちんとルールを決めておくことが肝心。そしてもし、親子間の約束がきちんと決められないのなら、それはまだケータイを与える時期ではないのかも?
(田幸和歌子+ノオト)