しかし、犬や猫などのいわゆるコンパニオン・アニマルを飼うのは、様々な理由で難しい場合も多い。では、飼育にそれほど広いスペースを必要とせず、子どもが世話に参加できるペットって? 「動物園マニア」で獣医師の 綿貫宏史朗さんに、比較的飼育が簡単ながらも、ちょっぴりユニークな生き物を紹介してもらった。
※最後の「マダガスカルオオゴキブリ」は気分を害される恐れがありますので、閲覧は自己責任でお願いいたします。
●デグー
「デグーは、南米の岩地に住むげっ歯類。群れを作って生きるため、とても社会性の高い動物です。そのため、人間にも懐きやすいのが特徴です。フワフワで愛らしい姿が最大の魅力。普段はケージのなかに干し草を敷いておき、汚れたら取り替えればいいので、子どもにも掃除を任せられます。すばしこいので、気づかずに逃げ出してしまうと事故のもとになり危険。ケージの開けっ放しなど、親がしっかりチェックしてあげてください」(綿貫さん 以下同)
●ヒョウモントカゲモドキ
「日本で人気の高い爬虫類のひとつ。おっとりした性格で人に噛み付いたりすることもないので、爬虫類初心者にはオススメのペットです。体長の2倍程度の飼育用ケースに砂などを敷き詰め、余程寒い場合にのみプレートヒーターを取り付けるとよいでしょう。排泄物は乾いた小さな糞なので、子どもにも掃除が可能。尻尾に脂肪を蓄える性質があり、餌は冷凍コオロギなどを3日に一度少量与えればOKです。一家で2~3日留守にする場合も、過度の心配は不要でしょう」
●マダガスカルオオゴキブリ
「ゴキブリと言うと抵抗感をもつ人が多いかと思いますが、こちらは森林のなかで暮らす清潔で無害な虫です。感覚としては、カブトムシやクワガタに近いかもしれませんね。羽がないので飛ぶことはなく、匂いもほとんどありません。飼育ケースに土や落ち葉、枝などを敷き詰め、森のように作ってあげると観察も楽しいでしょう」
どんな動物を飼う場合でも、子どもに任せきりにするのはNG。一緒に飼育本を読んだり、ペットショップに相談に行ったりするなど、親として最大限のサポートは欠かせない。信頼できる獣医師を見つけておくことや、最後まで責任をもって世話することも重要だ。その上で、限りある命の大切さを学ぶことができれば、子どもにとってペットとの暮らしは貴重な体験になるはずだ。
(波多野友子+ノオト)