赤ちゃんも肌に合わせてスキンケア

赤ちゃんも肌に合わせてスキンケア

第2回 冬の乾燥から赤ちゃんを守る
大人にくらべて刺激に弱い赤ちゃんの肌。とくに乾燥しやすい冬は、適切なスキンケアをしてあげることが重要です。そこで、赤ちゃんの肌ケア時に注意したいポイントを、祖師谷皮ふ形成クリニックの川手浩史先生に聞いてみました。

ケアするうえで知りたい皮膚の仕組み

そもそも、肌の乾燥はどのように起こってしまうのでしょうか?

「皮膚表面には、『角層』とよばれる外の刺激から身体を守る大切な組織があります。角層の表面を覆う皮脂や角層に含まれる細胞間脂質が皮膚の水分を逃さないようにする『バリア機能』であり、天然保湿因子が水分を蓄える『保湿機能』の役割を担っています。乾燥によって潤いが奪われてしまうと、外側からの刺激に弱くなってしまい、炎症が起こりやすくなってしまうのです。とくに、赤ちゃんは角層の機能が大人に比べると未発達なので、冬はローションやクリームで保湿をしたり、オイルで表面を油分で覆ってあげるなど、角層の役割を補ってあげるといいと思います」(川手先生、以下同)

赤ちゃんも肌に合わせてスキンケア

ケアアイテム、どう使い分ける?

ローションやクリーム、オイルなど、スキンケアのアイテムには様々な種類があります。それぞれどのように使用するといいのでしょうか?

「アミノ酸などが含まれることが多いローションなどは、皮膚細胞への水分の補給と保持につながります。また、クリームやオイルは皮脂の代わりとして水分が逃げるのを防ぎ、外部の刺激から保護してくれます。そのため、赤ちゃんの皮膚状態によって使い分けることも大切になってきます。例えば、オイルの場合は外側の刺激から保護してくれる反面、肌を密閉している状態のため身体のなかから発生する汗などが外に出にくくなってしまいます。そのため、汗をかきやすい首筋などに塗りすぎると、あせもが出来てしまいやすくなる場合もあるのです。まずは、それぞれのケアアイテムにどういう機能があるのか、見直してみましょう」

もし赤みがひどかったり、乾燥で皮膚表面が割れてしまうようであれば、スキンケアだけに頼らず、皮膚科を受診した方がいいと川手先生。赤ちゃんの肌状態にあわせてケアアイテムを変えることが必要なようです。
(文・末吉陽子/やじろべえ)

【取材協力】

祖師谷皮ふ形成クリニック
一般皮膚科、形成外科、美容皮膚科、熱傷(やけど)治療など
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