厄介なのは、愛情が原点となっているだけに、自分自身が毒親かどうかを意外と自覚できないケースが多ということだ。そこで、自分でできる「毒親」のチェック方法について、『子どもに何と言えばいいか、わからない時に読む本(青春出版社)などの著書を持ち、教育カウンセラーで明治大学文学部教授の諸富祥彦先生に教えてもらった。
諸富先生の挙げる「毒親チェックリスト」は、以下の6つだ。
1. 子どもと自分は一体だと思う
子どもと自分を切り離して考えることができない。子どもが別人格だと思えない。子どもを自分の所有物のように感じてしまう。
2. イラっとしたら止まらなくなる
子どもに対してだけでなく、普段からイライラ・カリカリしがち。いったんイラッときたら、苛立ちを自分で抑えられなくなる。
3. 子どもの成功を素直に喜べない
子どもに対して「なんでできないの?」などと言うことに、少し快感を覚える。自分が幸せじゃないだけに、子どもだけが幸せであってなるものかと無意識に願っているところがある。
4. 子どもをののしると、快感を覚えてしまう
「あんたなんてどうせ〇〇できないでしょ!」とののしるとき、思わずニヤリとしてしまうことがある。子どもができないことに、どこかホッとする。
5. 子どもについつい手をあげてしまう自分が怖い
ダメだとわかっていながらも、イラッとすると、子どもに手をあげてしまうことがある。「しつけ」と自分で思い込もうとする。
6. 子どもが思い通りにならないとイラついてしまう
自分を犠牲にしても、子どものためになんでもしてあげなければいけないと思っている。そのため、子どもが思い通りにならないと、自分を犠牲にしてきた思いがあるからこそ、苛立ちが止まらなくなる。
以上のひとつでも当てはまれば危険だそうだが、どうすれば防げるのか。
「まずは自分が毒親になる可能性を持っているということを自覚すること。それだけでも大きな効果があります」
「子どものため」を言い訳に、自分の育児をすべて正当化せず、ふと振り返ってみることも必要かも。
(田幸和歌子+ノオト)