「子どもは、両親、特にママの心の動きにとても敏感です。たとえ1歳未満の言葉が分からない年齢であっても、ママの心理状態が悪いことを肌で察知するのです。2歳以上の子どもになると、母親が泣いているのを見ると、それだけでショックを受け、一生懸命なぐさめようとする子どもも珍しくありません」(円さん 以下同)
離婚の話を子どもに伝える前から、母親が離婚に関して悩んでいることや、両親が不仲であることに気付いている子どもは多い。そのため、第三者に離婚や夫についての相談をするときは、たとえ乳幼児であってもその場に同席させないことが、子どもに悪影響を与えないポイントとなる。電話で話すときなども同様だ。
「離婚をして片親がいなくなると、子どもは『自分はパパ(ママ)に捨てられたんだ』と感じたり、『自分がいい子にしていないから2人の仲が悪くなってしまったんだ』と自分の責任であるかのように感じてしまったりするケースが非常に多くみられます。また『いい子でいなければ』と必死になるあまり、精神的に追い詰められてしまいがち。子どもは子どもなりに『早く大人にならなければ』と考えているのです」
子どもは不穏な空気をいち早く察知する。そのため、ケンカしているところを見られたり、夫の悪口を言っているのを聞かれたりした場合は「あなたのせいでケンカをしているわけじゃないのよ」ときちんとフォローすることが大切だ。いくら夫が憎くても子どもに悪口を吹き込むことや、「いい子にしていないからパパが帰ってこないのよ」などと言うのは言語道断。また不仲になっているときに「パパとママどっちが好き?」などと聞くのも絶対に避けよう。
離婚はあくまでも親の事情。子どもの前ではなるべく普通どおりに接することを心がけ、子どもに不安な気持ちを抱かせないように気をつけたい。
(ノオト+北東由宇)