「養育費の相場は世帯収入によって幅がありますが、“離婚前の家族の生活レベルを維持できる金額”が一般的な相場となります。平均的な額は、子どもひとり当たり、月額2万5000円~3万円程度です。また、支払い義務が生じる期間は、一昔前までは20歳まででしたが、両親のどちらかが4大卒の場合は、大学を卒業する22歳程度までとなっています」(円さん 以下同)
養育費については、離婚前に夫婦で下記を取り決めておく必要がある。
・支払時期
・支払額
・支払方法
・不払があった場合の措置
・増減額が必要になった場合の措置
現在の日本では、夫の再婚などから、経済的・心理的に負担が大きくなり、成年まで養育費が支払われるケースは全体の20%にも満たないのが現状だ。養育費を滞りなく入金してもらうためにはどのような策があるのか。
「まず、養育費についての取り決めは公正証書や家庭裁判所の調停調書、夫婦の間で交わした契約書のいずれかに記しておくことが大切です。万が一不払いがあった場合、これらの書類がなくても養育費の請求は可能ですが、書類にしておく方がスムーズです」
公正証書などがあれば、差し押さえや強制執行がスムーズとなる。面倒でも書類を用意しておこう。また、元夫の子どもに対する関心が薄れないよう、ママが努力をすることも必要だという。
「例えば、運動会などの子どもに関わるイベントに元夫を誘いましょう。元夫にすでに新しいパートナーがいる場合は、連名で誘うのも一策。また、定期的に子どもの画像を送って、成長ぶりを知らせるのもおすすめです。大切なのは、元夫が子どもを愛し続けられる環境づくりをすることです」
ポイントは、子どもとパパを快く会わせること。「今日はベビーシッター感覚で元夫に子どもを任せよう」と、気楽に割り切る気持ちが父親の自覚を持続させ、養育費の滞納を防ぐことにつながる。
離婚理由によっては、元夫を思い出したくもないというママもいるかもしれない。そこは「子どものため」と割り切って、子どもの安定した生活を守ることを第一に考えよう。
(ノオト+北東由宇)