足トラブルの原因は、“足の裏のアーチ”が重要なポイントになるそう。
「足の裏には3つのアーチがあります。1つは足の内側にある縦のアーチ(土踏まず)、2つめは足の外側のアーチ、3つめは指の曲がるところの手前にある横のアーチです。健康な足というのは、この3つが組み合わさり足の裏の中央部がドーム状に盛り上がっているのです。どれかひとつでもアーチが未発達だと体重がかかるバランスが崩れてしまい、足のトラブルを引き起こしてしまうんです」(佐々木先生 以下同)
そして、そのアーチの発達を妨げる大きな原因のひとつが、間違った靴選びなのです。子どもたちが抱える足トラブルは次のように様々です。
●内反小趾(ないはんしょうし)
小指が内側に曲がる状態。
「小指が内側に曲がってしまうことによって、外側に対して踏ん張れなくなり、体のバランスを崩しやすくなります。そのため、ころびやすかったり、かけっこが遅くなったりしてしまいます」
●浮き指(うきゆび)
立ったときに足の指が地面に着かず浮いてしまう状態。
「自分でも気づかないことが多く、バランスが悪くなることにより歩き方が悪くなり、ひざ痛や腰痛につながります。」
●外反母趾(がいはんぼし)
親指が外側(小指側)へ曲がってしまった状態。
「遺伝もありますが、足が安定しないゆるい靴を履くことによって指の付け根の横のアーチが崩れることが原因です。親指の付け根に痛みを感じたり、炎症を起こしたりすることもあり、女の子に多くみられるトラブルです」
●扁平足(へんぺいそく)
筋肉やじん帯が育たないことで、足の内側の縦のアーチ(土踏まず)が崩れ、足の裏全体が床についてしまう状態。
「足の衝撃を受け止めるクッション機能が失われるため、足が疲れやすくなります。また、アーチが低下すると、外反母趾などにもつながります」
ほかにも、アキレス腱のラインが外側や内側に傾いてしまう“外反足・内反足”や、指の付け根のアーチが崩れて扇形に広がってしまう“開張足”。さらに、爪の左右の端が肉に食い込んでしまう“陥入爪”など、多くのトラブルが起こっているそう。
このように、今の子どもたちの足は深刻な状況であると実感しているという佐々木先生。
「足は体の“土台”ですから、足元の安定感こそが体の動きに大きな影響をおよぼすことは、言うまでもありませんね。靴は、服などと違って間違ったものを履くと足に悪さをするんです。そのことをしっかり認識してしっかりした靴選びをしなければなりません」
子どもたちの足を守るためにも、健やかな成長のためにも、親たちが“足育”に積極的に取り組んでいく必要があるのかもしれません。
(構成・文/横田裕美子)
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