「これだけゲーム機が浸透してしまった今、いくら大人が嫌悪感をもってゲームを遠ざけたとしても、子どもたちはゲームと付き合っていくと思います。むしろ、先人の創った“ゲーム”というメディアの優れた面を活用して、問題はきちんと改善して、将来のための環境づくりをしていくことが望ましいと思います」と、話すのは、子どもメディア論を専門とする相模女子大学・准教授の七海 陽先生。
では今後、どのようにゲーム機と付き合っていけばいいのでしょうか?
「ゲーム機を与えるならば、大人はもっと積極的に関わって子どもたちをサポートしていかなければならないと思います。一番よくないのは、ゲーム機を与え、その後は放置してしまうこと。特に携帯ゲーム機に関しては、意外と多くの親御さんが我が子がどんなゲームをしていて、誰と遊んでいて、何時間やっていて…などを把握しないで、ゲームに夢中になってくれると何かとラクだと感じていることです」
たまにはゲームの話をママからしてみるなどコミュニケーションをとり、お子さんのゲーム環境を把握することも必要ですね。そんななかで大切なのは、やはり基本的な生活環境を整えることだそう。
「子どもは、世のなかの刺激をバランスよく吸収してくことが大事なんですね。つまり、“ゲーム中心の生活にならないように気をつける”こと。ゲーム使用時間(テレビも含む)の目安としては、1日のなかで子どもが自由に使える時間の半分以下が理想的です。あとの半分は外で遊んだり、家族や友だちと会話したり、読書したり、そういった時間に使うのが望ましいですね」
また、こういった生活環境や習慣をしつける時期も重要だそう。
「まだ親のコントロールが可能な思春期前の9歳くらいまでに、きちんとした親も含めたメディア習慣やルールを教え、しつけることが望ましいです。そうすると思春期以降もうまく付き合っていくことができると考えています。ゲーム機を与えるからには、将来、子どもがゲームとうまく付き合うために何をすべきか? を親御さんがきちんと考え実行することが大切です。そして、何かトラブルがあったら、“必ず助けてあげるから言ってね”ということを伝えてあげてください」
すべては“使う側の心がけ次第”ということですね。ぜひ、ゲームを手にしたお子さんが、ゲームを楽しみ、うまく共存していけるよう親としてしっかり正しく導いてあげてください。
(構成・文/横田裕美子)