「下の子の出産後、ママは上の子の世話をしながら乳飲み子を抱え、超多忙です。余裕がなくなり、上の子が思うように動いてくれなくて、つい叱ってしまうこともあるでしょう。でも、その時に言ってはいけないのは『お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから』『もう○歳なんだから』というワード。上の子は理不尽さと不公平感を感じてしまいます」
ただし、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)」という言葉自体が悪いのではない。ママのお手伝いをしてくれたら「さすがお兄ちゃんだね!」と、ポジティブなシーンで使うのはOKだ。
では、上の子が下の子に対して嫉妬を感じたり、寂しがったりしないようにするためにはどのようなケアが有効なのか。
「ママが上の子とだけの時間をとってあげるのが理想的ですが、現実的にはなかなか難しいもの。例えば朝起きたとき、10秒だけでも『○○ちゃん、おはよう!』と名前を呼んで抱きしめてあげたり、頭を撫でてあげたりしましょう。下の子は授乳やおむつ替えなどのタイミングでママとのスキンシップは十分とれています。上の子とのスキンシップを意識することが大切です」
また、例えば上の子が帰宅して手を洗っていたら「あ、手を洗ったんだね」、おもちゃで遊んでいたら「遊んでいるんだね~」などとママが“実況中継”をするだけでも上の子のメンタルは安定する。ママが自分のことをしっかり見てくれている、という安心感につながるのだ。
「下の子との差が1~2歳差程度なら、世話は大変でも、上の子とママが過ごす時間が長いので、かまってあげる機会も作りやすい。一方、3~4歳差となると、上の子が幼稚園などに通っていることが多く、ママと過ごす時間が短いために上の子が我慢を強いられがちです。せめて家にいるときは話を聞いてあげて“あなたのことをちゃんと見ているよ”ということを伝えましょう」
そして何よりも大切なのがママのメンタル。無理をして頑張りすぎると疲れてしまい、育児にも悪影響が生じる。「できる範囲で、短い時間でもケアができればOK」と考え、“数秒ケア”や“実況中継”をうまく活用しよう。
(北東由宇+ノオト)