手づかみ食べはいつから?パクパク食べてくれるメニューも紹介

第20回 知っておきたいママ情報
「手づかみ食べはどう対処するべき?」こんな疑問を持つ人も多いでしょう。そこで、手づかみ食べの時期や必要性についてくわしく解説します。後片付けを楽にするコツやおすすめのレシピも参考に、手づかみ食べの時期を赤ちゃんと一緒に楽しみましょう。

手づかみ食べを始める時期

「手づかみ食べ」とは、赤ちゃんが自分で食べる練習をする過程でよく見られる行動です。では、手づかみ食べはだいたいいつごろから始まるのでしょうか?

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離乳食後期ごろから

手づかみ食べが始まるのは離乳食後期である「生後9~11カ月」ころが一般的とされています。好奇心旺盛な子はもっと早くに手を出し始めることもある一方で、おっとりした子は完了期の「1歳~1歳6カ月」ごろになるかもしれません。

カミカミ期といわれるこの時期の離乳食は、歯茎でつぶせるくらいのやわらかさになります。「自分で口に入れて食べたがるようになったら、手づかみ食べの時期」と心づもりをしておくとよいでしょう。

食べ物への関心が強まり、手で混ぜたりつまんだりして「どのように食べるとよいのか」を模索し始めます。まずは、やわらかくゆでた野菜や小さく切ったパンなどをあげて様子を見ましょう。

どうして手づかみ食べが必要なの?

「手づかみ食べはさせた方がよい」という言葉がよく聞かれます。では、なぜ手づかみ食べが赤ちゃんに必要なのでしょうか?その理由について解説します。

食べる機能が発達する

手づかみ食べは「食べる機能を発達させる役割を果たす」といわれています。1歳前後の赤ちゃんは、まだ大人ほど手を器用に使えません。とはいえ、年齢が上がればよいわけでもなく、うまく食べられるようになるには練習が必要です。

「どのくらいの力で握ればよいのか」「どこに持っていけば食べられるのか」「どのくらい口に入るのか」といった様々なことを、手づかみ食べから学びます。

大人であっても、未知の応用問題を解くためには、基礎の計算を覚えることから始めるでしょう。同じように、手づかみ食べは赤ちゃんが食事の仕方を覚えるための基礎といえるのです。

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食への意欲や関心が増す

赤ちゃんが自分で食事をするという行為には、「食べたい」という欲求が前提にあります。手づかみ食べは、こうした食への意欲や関心を育む第一歩です。

「触ってみたい」という好奇心から食べ物の感触・温度・固さを知り、「知らない味がする。こっちはどんな味?」と、味覚に対する興味の範囲を広げていきます。

「やわらかいね」「固いね」と声がけをしてあげると、より積極的に食事をするようになるかもしれませんね。達成感を与えるには、うまく食べられたときにほめてあげることも大切です。

初めは手を出したり出さなかったりするかもしれませんが、赤ちゃんの気分に任せてゆっくり見守ってあげましょう。

手づかみ食べの注意ポイント

手づかみ食べは赤ちゃんにとって学びの場のため、集中できるよう手助けしてあげることが大切です。見守る親のストレスを軽減するコツも、知っておきましょう。

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食事環境を整える

カミカミ期が近づいてきたら、食事環境を整えてあげましょう。まずは食事をするためのイスとテーブルの選定です。

イスは「足がしっかり床に着いていること」を確認しましょう。足がブラブラしていると食事に集中しにくくなります。疲れてしまわないよう「背中にクッションをはさむ」のもよい方法です。

テーブルの高さは「背筋を伸ばして座った状態で両肘が台の上に乗る位置」に調整します。低すぎて猫背になったり、高すぎて食べ物を目で確認しづらくなったりしないように注意しましょう。

食べやすい大きさや固さにする

手づかみ食べの時期の離乳食は、赤ちゃんが食べやすい大きさと固さに調理することが重要です。大きさはサイコロ状やスティック状で「1cm角」、丸くするなら「ソラマメ」くらいの大きさがよいでしょう。まだ指先が器用ではないため、あまり小さすぎてもうまく握れません。

固さは、バナナが基準です。固すぎて歯茎が使えないと、そのまま丸呑みしてしまう危険があります。歯茎ですりつぶす練習ができるよう、「手でつまんでムニュっとつぶせるくらい」にやわらかく調理しておきましょう。

片付けしやすい工夫をする

手づかみ食べが成長につながるとはいえ、好き放題に散らかされた食卓を日に3度も片付けるのは大変なことです。そこで、赤ちゃんの食卓には片付けやすい工夫をしておきましょう。

テーブルの下には「レジャーシート」などを敷き、さっと拭けばきれいにできるようにしておきます。そのまま丸めて捨てられる「新聞紙」も便利です。

テーブルの上には、赤ちゃんの食器以外に何も乗せません。つかんだ食材を投げたり汁物をこぼしたりすることもしょっちゅうです。汚れて困るものは前もって避難させておきましょう。

赤ちゃんには、ポリエステルやナイロンなどつるりとした素材の「お食事エプロン」を着せます。頭からすっぽりかぶせるスモック型のエプロンもおすすめです。

手づかみ食べにおすすめのメニュー

赤ちゃんがつい手を出したくなる、手づかみ食べにぴったりのレシピを4種類紹介します。食べやすさはもちろん、思わず手に取ってみたくなるいろどりも意識しましょう。

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カラフルなコロコロおにぎり

カラフルで小さなひと口サイズのおにぎりは、手づかみ食べに最適です。まずは、炊飯器の「おかゆモード」を使って軟飯を炊きます。

ごはんは慣れた固さで構いませんが、目安としては米1合に「水540ml」程度です。炊き上がった軟飯に、サケフレーク・青のり・卵の黄身などを混ぜ込み、赤ちゃんのひと口サイズでカラフルなおにぎりを握りましょう。

握るときはラップを使って「茶巾絞り」のようにすると簡単です。ツナや鶏肉などを混ぜると、おにぎりとメインのおかずが一緒に食べられます。

ノリをカットしてサッカーボールのようにしたり、細長くカットして巻いたりするのも、見た目が変わって楽しいでしょう。

バナナフレンチトースト

デザートや朝食に人気のフレンチトーストにも、離乳食バージョンがあります。食パンの耳をカットし、やわらかいパンの部分をひと口サイズの角切りに切り分けましょう。

ボウルでバナナ1本をつぶしたら、調乳したミルクと卵1個をよく混ぜ、食パンに絡めます。フライパンで両面を弱火で焼き、軽く焼き目がついたら完成です。

このメニューは「卵」を使用するという点に注意しましょう。卵は「特定原材料7品目」に含まれており、重篤なアレルギーを起こす可能性のある食品です。

「まだ卵を食べさせたことがない」「少量食べるようにしたばかり」という場合は、卵アレルギーがないことが分かってからフレンチトーストにトライしてみましょう。

とりバーグ

脂肪分の少ない鶏肉は、未熟な赤ちゃんの消化器官にも負担のかけにくい食材です。7~8カ月にささみをスタートし、慣れてきたら鶏ひき肉を使ったハンバーグに挑戦してみましょう。

みじん切りにしたニンジンを600wでレンジにかけてやわらかくします。キッチンペーパーに包んだ豆腐も、600wで1分ほどレンジにかけて水切りしましょう。

鶏ひき肉にニンジンと豆腐、かつお節、しょう油を混ぜたら、ひと口分ずつフライパンで両面を焼きます。生地を分けてフライパンに落とすときは、スプーンを使うと便利です。

なお、ひき肉は、「離乳食完了期以降」であれば豚でも合い挽きでも構いません。かつお節がなければ「粉末ダシ」を使ってもよいでしょう。

玉ねぎやピーマンなども刻んで入れれば、野菜も肉も入ったバランスのよいおかずになります。赤ちゃんが苦手な野菜を入れてもよいかもしれませんね。

かぼちゃのおやき

ほんのり甘みのあるかぼちゃは赤ちゃんに人気の食材のひとつです。1年中手に入りやすく栄養満点であるため、離乳食のレギュラーメニューとして活躍するでしょう。

半分に切ったかぼちゃは水洗いした後ラップに包んで、やわらかくなるまでレンジにかけます。粗熱が取れてから種を取り除き、皮をむいてボウルでつぶしましょう。

つぶしたかぼちゃにすりごま適量と片栗粉大さじ2~3を混ぜ、丸形に整えてからフライパンで両面焼きます。「牛乳」のアレルギー反応をクリアしている子なら、混ぜるとより口当たりがなめらかになるでしょう。

上記のレシピでは皮を取り除いていますが、実はかぼちゃの皮にはたくさんの栄養が詰まっています。つぶすのが上手になってきたら、やわらかくして刻み、おやきに入れてみてはいかがでしょうか?

まとめ

手づかみ食べは食への興味を育み、手や口の機能を発達させます。口の位置や手の動かし方を覚えることで、スプーンやフォークを使う練習にもなっているのです。

こぼしてしまったり、ぐちゃぐちゃにしてしまったりしても、がっかりすることはありません。「上手にお口に入ったね」「全部食べられたね」と、たくさんほめてあげましょう。

こうした成功体験の積み重ねで「ごはんの時間は楽しい」と感じるようになり、健康的な食生活の習慣を身につけることにもつながります。