幼稚園の対象年齢は?
幼稚園入園を控えた子どもを持つパパ・ママのなかには、具体的に何歳から何歳まで通わせることができるのか、まだ知らないという人もいるのではないでしょうか?ここで改めて押さえておきましょう。
満3歳から小学校入学前まで
幼稚園が受け入れる子どもの年齢は、満3歳から小学校入学前の6歳までです。幼稚園の入園については、「学校基本法」の第26条によって決められており、「幼稚園に入園することのできる者は、満三歳から、小学校就学の始期に達するまでの幼児とする。」とされています。
かつては2歳児も幼稚園に入学可能としていた時期がありましたが、現在は「2歳児では集団で遊ぶ姿が見られず、学校教育になじことは難しい」という判断がされており、満3歳以上が幼稚園の入園対象となりました。
入園のタイミングと保育期間
子どもが幼稚園に通える期間についてわかったところで、次に気になるのはより具体的な入園のタイミングと保育期間でしょう。
実は、幼稚園によって入園できる年齢は異なります。子どもの入園年齢と入園月、保育期間の種類について解説します。
満3歳は3年保育
幼稚園でもっとも一般的なのが、子どもが満3歳で入園する「3年保育」です。3年保育の幼稚園では、「子どもが4歳になる年の4月」に入園することになります。保育期間は3年間となり、子どもは年少・年中・年長と順にクラスが上がっていくのです。
同年代の子どもが4月に一緒に入園するため子どもも周囲となじみやすく、友だち関係も作りやすいところがメリットといえるでしょう。
3歳になってすぐの入園も
3歳を迎えてから初めての4月を待たず、「3歳になってすぐ」に入園できる幼稚園も要チェックです。「満3歳児保育」と呼び、主に2タイプの形があります。
ひとつは、3歳になって「年少クラスに途中から入り、翌年度ももう一度年少クラスに入る」方法です。幼稚園によっては、年少クラスとは別の「満3歳児用の専用クラスを用意しており、翌年から年少クラスに進む」という形式をとっているところもあります。
3歳の誕生日の月、もしくは誕生日の翌日から入園できることで、子どもは早めにママから離れた生活を始められ、集団生活にもいち早くなじめるのがメリットです。ママも、育児から少し手を離せる時間ができて負担軽減されます。
特に4・5月生まれの子どもは、翌年4月の入園を待っていては1年近く空白期間ができてしまうため、満3歳児保育は検討する価値があるでしょう。
満4歳は2年保育
満4歳の子どもが「5歳を迎える年の4月」に入園するのが2年保育です。その名のとおり保育期間は2年間で、子どもは「年中クラス」に入ることになります。
「各家庭の都合や子どもと長く一緒にいて自分たちの教育をしてあげたい」というママ・パパに合っているスタイルといえるでしょう。
また、2年保育は、早生まれの子どもにとってもメリットがあります。一般的な3年保育では、早生まれの子は体格や発育の差が大きく、周囲の子どもについていけるのかが心配な人も多いでしょう。
その点、4歳ごろには早生まれの子もしっかり成長しており、周囲の子どもと同じペースで集団生活できます。
2年保育と3年保育、どちらがよいの?
幼稚園の入園タイミングは、ママ・パパが決められます。しかし、「いざ決めてよいといわれると、2年保育と3年保育のどちらを選べばよいのか迷ってしまう」という人もいるかもしれませんね。
2年保育と3年保育を選ぶ際のポイントと、判断基準について解説します。
幼稚園2年保育?3年保育?(長文) -現在3歳半の息子の母です。2歳- 幼稚園・保育所・保育園 | 教えて!goo
メリットとデメリットを比較する
2年保育と3年保育を選ぶ際には、メリット・デメリットを比較してみるとよいでしょう。2年保育のメリットは、「ママ・パパが家で子どもと過ごす時間が長く確保できること」です。
早生まれの子は「保育園に通ってから幼稚園に入園する」パターンも多く、入園のタイミングがちょうどよいところも支持されています。
デメリットは、幼稚園で集団生活を体験する期間が短くなることや、3年保育で幼稚園にすでに慣れている子との差が生じることです。
3年保育のメリットは、子どもが集団生活に早く慣れることができる点でしょう。3年間しっかり同じ幼稚園での教育を受けられて、ママ・パパの保育負担が軽減します。
デメリットは、家族で過ごす時間が減ることや、2年保育に比べて早い段階で社会性を求められるため、子ども同士がトラブルを起こす可能性が考えられることです。
経済面を考える
子どもとママ・パパにとってのメリット・デメリットのほか、現実的な経済面も考慮する必要があります。幼稚園に通わせる場合、公立は年に「10~20万円」、私立は年「30~70万円」必要です。
2018年度に文部科学省が行った「子どもの学習費調査」では、公立幼稚園が「22万3647円」私立幼稚園が「52万7916円」でした。
2019年10月1日からは幼児教育・保育の無償化が始まったため、幼稚園は「利用料が全額または月額2万5700円まで」が無償化の対象になります。
また、自治体によっては「私立幼稚園費用に対する補助金」を出す取り組みがあるため、活用すれば年間「数万~10万円」程度もらえるでしょう。
ただし、幼稚園は利用料以外にも、制服や日用品、給食費や送迎バス代など様々な出費があります。2年保育と3年保育の間にある1年の差は、経済的にも大きいのは否定できません。
子どもの成長に合わせる
2年保育と3年保育のどちらにするかを決める際には「我が子の成長ペース」も考える必要があります。
「早生まれのため同級生の子どもとの差が気になる」というケースのほかにも、体力・体格の面で集団生活をさせることに不安がある場合や、食事・トイレトレーニングが不十分だと感じる場合は、無理に焦って入園させる必要はありません。
子どもの成長スピードに合わないタイミングでの入園は、子どもにとっても負担が大きいものです。子どもが無理なく楽しい幼稚園生活を送れるように、親としてタイミングを見計らってあげましょう。
入園を決めるまでのスケジュール
幼稚園に通わせるタイミングについてママ・パパの間である程度決められたら、入園までのスケジュールを作成します。
幼稚園は一度入園したら、転園はなかなか難しいものです。さらに「入りたい」と思っている幼稚園に、思うように入れないということもあり得ます。以下の手順を参考に、しっかり入園までの計画を立てましょう。
園の情報を集める
まず行うことは、子どもを通わせる幼稚園の情報収集です。子どもの誕生日や入園させるタイミングにもよりますが、少なくとも「入園の前年4月ごろ」からは、幼稚園候補をいくつか見つけておきましょう。
インターネットで自宅周辺の幼稚園を検索し、気になる幼稚園が見つかったら、保育期間と応募時期、見学会や説明会の有無について調べておきます。
送迎バスを出している幼稚園であれば、多少家から距離があっても通える可能性があるため、候補の幼稚園がなかなか見つからない場合は範囲を広げてみるのもおすすめです。
プレ保育の参加を考える
本格的に入園する前に、「プレ保育」の受け入れをしている幼稚園もあります。プレ保育とは2歳児を対象とした体験クラスのようなものです。
2007年に文部科学省が発表した「幼稚園を活用した子育て支援としての2歳児の受入れに係る留意点について(通知)」により、幼稚園教育へスムーズに入るための幼稚園を活用した2歳児の受け入れが認められました。
幼稚園によって実施内容は異なりますが、週2~3回・1日1~2時間の保育を受けられ、子どもがその幼稚園に合っているかどうかを確認します。
簡単な工作や音楽、自由遊びなど様々な活動を行うため、子どもはプレ保育を通してその幼稚園に慣れることができるでしょう。
なお、この時点ではあくまでも体験であり、入園が認められたわけではありません。人気が高く競争率の激しい幼稚園では、「プレ保育に参加することが入園条件」となっていることもあるため、要注意です。
出典:別添2 幼稚園を活用した子育て支援としての2歳児の受入れに係る留意点:文部科学省
見学会や説明会に参加する
入園させたい幼稚園の見学会や説明会には参加し、保育の内容について直接聞くようにしましょう。入園前年の「6~9月」には見学会、「9~10月」には説明会が開催されることが多いです。
幼稚園の先生が直接幼稚園の概要や保育の方針などを説明してくれるため、気になることがあれば直接質問して回答を得られます。直接足を運ぶことで園の雰囲気や先生の人柄が見えてくるため、我が子との相性を見極めるチャンスです。
入園願書の配布と提出
入園させたい幼稚園が決まったら、入園願書の提出に向けた準備を始めます。幼稚園によって願書の配布時期は異なりますが、「早ければ9月、一般的には10月」が配布時期です。
提出は「10~11月」に設けているところが多いでしょう。願書の配布方法も幼稚園によって異なり、園で直接配布しているところもあれば幼稚園のHPからダウンロードできるところもあります。
市役所の窓口で、配布される地域もあるようです。人気のある幼稚園では「願書の配布数自体が限られている」こともあるため、注意しましょう。
願書には、志望動機や子どもの長所・短所を記入するところがあります。願書の内容が幼稚園の教育方針に合っているかどうかが選考基準にもなるため、内容をしっかり練って記入しましょう。
まとめ
保育園の入園時期は、満3歳から小学校入学前の満5歳までです。入園のタイミングは親が決められるため、家庭の事情や子どもの成長に合わせて2年保育・3年保育のどちらにするかを選びましょう。
入園するまでには、情報収集やプレ保育、見学会・説明会の参加などやらなければならないことがたくさんあります。子どもをぴったりの幼稚園に入園させられるように、しっかり準備をしておきましょう。