松村医院の院長・松村真司先生は、こう話します。
「元気だったお子さんが頻繁に“疲れた~”と言ったり、家に帰ってきてずっとゴロゴロしていたり、寝ていたり…といった状態が続く場合には、いろいろな病気の可能性が考えられます。ひとつは、『1型糖尿病』で、おもにインスリンが出なくなってしまう子どもの糖尿病です。ただ、ここまで症状が出ている場合は、ほかにもだるい、喉が渇く、頻尿、元気がない、顔色が悪い、鼻血が出る、腹痛など、いろんな症状も出ているはずですので、よく症状をチェックしてください」
“疲れる”という症状の原因はさまざまだが、代謝が悪くなることから起こることが多いという。『糖尿病』のほかにも、いろいろな病気が考えられるそう。
「『腎炎』など、腎臓が悪くなっている可能性もありますね。腎臓病の場合は、“むくみ”の症状がないかを確認してください。また、体のどこかから出血していることによる貧血や、いわゆる『膠原病』など子どものリウマチなど。あとは、希にうつのような精神疾患からくる疲労感や倦怠感というケースもありますね」
●“疲れた~”が子どもの口癖になっていることも
ただし、なかには“疲れた~”が子どもの口癖になっていることもあるという。
「親御さんが“疲れた~”などよく言ったりしていると、不思議と“疲れた~”がお子さんの口癖になってしまうことがあるんです。本当に疲れている状態かどうかは、さすがに見ればわかりますから、親御さんから見て“以前と違うなぁ”と感じた場合は、しばらくよくお子さんの様子をよくみて判断してください」
なかなか判断が難しい場合は、次の基本的な症状をチェックしてほしいと、松村先生。
「顔色、食欲、便と尿の有無と回数(多すぎも少なすぎもよくない)、体温、脈拍、長いスパンでは体重の増減などが、以前のお子さんと変わらなければ、ほぼ問題はないでしょう。お子さんが多かったりすると、これらのこともなかなか把握するのが難しいかもしれなせんが、できるだけ注意して気をつけてあげてください」
“疲れた~”は何かのサインかも? と知っておくだけでも、万が一の場合の早期発見につながりますね!
(構成・文/横田裕美子)