中学受験はした方がよい?準備時期や向いている子の特徴も

第104回 みんなが共感!ママのお悩み
もし中学受験を迷っているならば、なるべく早く情報収集を始めましょう。受験するかどうか決めるためにも、中学受験のメリットについて知っておくことが大切です。受験に向けた準備期間の目安や、私立中学に通わせる場合の注意点についても解説します。

中学受験のメリット

「私立中学に通わせた方が将来のためになるのかもしれない」そう思ってはいても、公立中学校と比べたときの違いがはっきりしていない人も多いでしょう。まずは、中学受験をする大きなみっつのメリットについて紹介します。

自ら学ぶ姿勢が身につく

中学受験をめざす子どもたちは、自ら学ぶ姿勢が身につきます。無理に勉強させるからではなく、「自然と勉強に対する意欲が育ちやすい環境」に置かれるためです。

私立中学の試験問題には、小学校の授業ではカバーしきれない範囲から出題されることがあります。そのため、ハイレベルな授業ができる塾や家庭教師のもとで勉強するのが一般的です。

幼い子どもは、貪欲に知識を吸収しようとします。小学生のうちから受験を意識した勉強を始めることは、勉強習慣をつけるよい機会となるでしょう。

細やかな指導や対応が期待できる

私立中学は「生徒1人ひとりに合わせたきめ細やかな指導」が期待できるのが魅力です。子どもや親が「希望する教育方針を採っている学校」を選びます。選ばれた学校は、親の希望をくみ取り、教育に生かしていくことが求められるのです。

評判が落ちれば顧客となる生徒数が減ってしまうため、公立中学よりも私立中学の方が生徒の教育に熱心になりやすいといえるでしょう。

一方で、国公立の中学校は「すべての子どもたちに平等な教育を与えること」を目的としています。その教育の機会をどう生かしていくかは、各家庭の教育方針次第です。

中高一貫校なら高校受験がない

高校に付属した「中高一貫校」を選べば「高校受験をしなくてよい」というのも、中学受験の魅力のひとつです。

中学から高校の6年間で大学受験に向けた一連の準備ができるため、難関大学をめざす際にも効率的に勉強が進めやすいといえます。部活動に励んだり勉強以外の経験を積んだりする場合にも、高校受験のプレッシャーがなければ、よりのびのびと活動できるでしょう。

また、中学時代は、多くの子どもが思春期に入ります。親子関係が大きく変化しだす時期に、高校受験に頭を悩ませる負担から解放されるのは、親にとってもうれしいメリットです。

中学受験に向いている子の特徴

私立中学に通わせるメリットが多いのは事実です。しかし、「誰も彼も中学受験をめざせばよい」というものでもありません。

合格をめざして努力できる子どもたちには、共通する特徴があります。ここでは、中学受験に向いている子どもの特徴について、見ていきましょう。

自分で考えることができる子

「なぜその中学に入りたいのか」という質問に対し、「自分の言葉で答えられる子」は中学受験に向いています。

それぞれが異なる特色を持つ私立中学には、実験の豊富な理数教育に長けた学校もあれば、国際人を育成するグローバル教育に特化した学校もあります。

「あの学校でこういう勉強がしたい」という自分の意思ほど、強いモチベーションはありません。口に出す出さないにかかわらず、「これが好き」「あれをやりたい」と、いつもはっきりとした意思を持っている子は中学受験向きといえるでしょう。

集中力を持って取り組める子

ほんの2~3歳のころから「好きな遊びに熱中すると呼んでも気づかない」という子がいます。「並外れた集中力」は、受験勉強に取り組む際にも大きな強みです。

一方で、「授業の終わりまで集中力が持たない」という場合、現時点では中学受験に向いているとはいえません。精神年齢が成長するのを待った方が、本人の負担は少ないでしょう。

中学受験に合格するには、学校の外でも勉強が必要です。「小学校の授業で集中して先生の話を聞けているか」という点も、受験に挑戦するかどうかの判断材料となるでしょう。

いつから準備を始める?

進路を決めるギリギリの時期に思い立っても、希望する学校に合格するのは難しいといわざるを得ません。では、中学受験をするとすれば、いつごろから準備を始めればよいのでしょうか?小学校の学年別に、中学受験の準備について解説していきます。

低学年は経験が学びになる時期

低学年のうちは、「なるべく多くの経験を積ませ、分野問わず様々な知識に触れさせること」が大切です。テレビからは知らない場所で何が起きているのかがわかり、本を読むほど読解力が身につくでしょう。外に連れ出し、四季折々の変化を体験させることも学びの土台となります。

子どもが疑問を持ったとき、すぐに答えを与えず見守る姿勢も重要です。「自分で考えて答えにたどり着く気持ちよさ」こそ、子どもの好奇心を育てる源となるでしょう。

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多くは新小4からスタート

中学受験をめざす場合、小学4年生から受験対策を始めるのが一般的です。そのため、大手の中学受験塾の新年度は新小4(小学校3年生)の2月に設定されています。この勉強スタートの時期には、塾のカリキュラムの組み方が関係しています。

たいていの塾では、4~6年生の3学年の間に受験に必要とされる知識の習得をめざします。5年生から始めても遅くはありませんが、1年分を急いで吸収しなければいけません。

ゆとりを持って学習計画を立てるのであれば、塾のカリキュラム通りに4年生から勉強を始めるのが理想でしょう。

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小6からは努力と覚悟が必要に

6年生になってから「私立中学に行きたい」と意欲を見せ始める子もいます。しかし、6年生から始める受験対策には、かなりの努力が必要になるでしょう。

4月から受験までの約10カ月の間に、小学校では学習できない試験に必要な学力を養うことが求められます。通常の塾だけではなく、個別指導や家庭での自己学習も必要です。

それでも、子ども自身に明確な目標と「どうしても行きたい」という強い意志があるのなら、厳しい受験を乗り越える力となるでしょう。

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中学受験をする前に考えておきたいこと

「私立中学に入学した後のこと」は具体的にイメージできているでしょうか?私立中学では、公立中学と比較してデメリットを感じることもあります。最後に、受験前に考えておきたいポイントについて3点確認しましょう。

公立よりお金がかかる

中学受験をするとなれば「経済的負担」は大きくなります。塾では通常の月額料金のほかにも、集中講座・長期休暇の講習・検定対策など、オプションで費用がかかることもあるでしょう。

私立中学への入学が決まれば、公立よりも高額な入学金や諸経費を納める必要も出てきます。電車やバスを利用する場合、毎月の定期代も考えておかなければなりません。

文部科学省が発表した2018年度の「子どもの学習費調査の結果」によると、1年間で子ども1人あたりにかかる学習費用の総額は公立中学が「48万8397円」、私立中学が「140万6433円」と約2.8倍の差です。

3年間の学習費は、1人あたり420万前後はかかると考えておきましょう。統計によると、私立中学は近年学習費が増加傾向にあります。私立高校は20年4月から授業料実質無料の取り組みが始まりましたが、私立中学に関しては現状は親の負担です。

出典:平成30年度子供の学習費調査の結果について

通学に時間がかかる

公立中学校の場合、基本的に居住地の学区内にある中学校に通うため交通費はかかりません。しかし、私立中学の場合、「自宅から離れた場所にある」のが一般的です。

部活動をする場合、夏場は18時まで活動することもあります。もし通学に1時間かかるのなら、帰宅時間は19時を過ぎてしまうこともあるでしょう。

経験のない子どもには通学のイメージはしにくいため、親がその負担を見極めておく必要があります。距離だけではなく、「実際に通学する時間帯の混雑具合」も考慮に入れておきたいところです。

新たな友だちづくりが必要

思春期の多感な時期に充実した学校生活を送れるかどうかは「仲のよい友だちと過ごせること」が重要な要素です。公立中学なら知った顔がたくさんいますが、私立中学の場合は新たに人間関係を築いていく必要があります。

人見知りしがちな子や神経質な子であれば、入学してしばらくは気を張る時期が続くかもしれません。ただ、いったん友だちがつくれれば、中高一貫校などの場合は先の長い付き合いができます。

進学のタイミングではほとんどの人が通る道のため、親は聞き手になって子どもを励ましてあげましょう。

まとめ

「子どもによりよい教育を与えたい」と多くの親が考えています。しかし、私立中学にはメリット・デメリットの両面があるため、中学受験は子どもとよく話し合うべきでしょう。

ただ、子どもが何かをきっかけにして、急に将来の夢や目標を見つけるのもよくある話です。実際に受験するかどうかはともかく、どんな道でも選べるように対策だけしておくのもひとつの選択肢かもしれません。