中学受験のメリット

「私立中学に通わせた方が将来のためになるのかもしれない」そう思ってはいても、公立中学校と比べたときの違いがはっきりしていない人も多いでしょう。まずは、中学受験をする大きなみっつのメリットについて紹介します。
自ら学ぶ姿勢が身につく
中学受験をめざす子どもたちは、自ら学ぶ姿勢が身につきます。無理に勉強させるからではなく、「自然と勉強に対する意欲が育ちやすい環境」に置かれるためです。
私立中学の試験問題には、小学校の授業ではカバーしきれない範囲から出題されることがあります。そのため、ハイレベルな授業ができる塾や家庭教師のもとで勉強するのが一般的です。
幼い子どもは、貪欲に知識を吸収しようとします。小学生のうちから受験を意識した勉強を始めることは、勉強習慣をつけるよい機会となるでしょう。
細やかな指導や対応が期待できる
私立中学は「生徒1人ひとりに合わせたきめ細やかな指導」が期待できるのが魅力です。子どもや親が「希望する教育方針を採っている学校」を選びます。選ばれた学校は、親の希望をくみ取り、教育に生かしていくことが求められるのです。
評判が落ちれば顧客となる生徒数が減ってしまうため、公立中学よりも私立中学の方が生徒の教育に熱心になりやすいといえるでしょう。
一方で、国公立の中学校は「すべての子どもたちに平等な教育を与えること」を目的としています。その教育の機会をどう生かしていくかは、各家庭の教育方針次第です。
中高一貫校なら高校受験がない
高校に付属した「中高一貫校」を選べば「高校受験をしなくてよい」というのも、中学受験の魅力のひとつです。
中学から高校の6年間で大学受験に向けた一連の準備ができるため、難関大学をめざす際にも効率的に勉強が進めやすいといえます。部活動に励んだり勉強以外の経験を積んだりする場合にも、高校受験のプレッシャーがなければ、よりのびのびと活動できるでしょう。
また、中学時代は、多くの子どもが思春期に入ります。親子関係が大きく変化しだす時期に、高校受験に頭を悩ませる負担から解放されるのは、親にとってもうれしいメリットです。
中学受験に向いている子の特徴

私立中学に通わせるメリットが多いのは事実です。しかし、「誰も彼も中学受験をめざせばよい」というものでもありません。
合格をめざして努力できる子どもたちには、共通する特徴があります。ここでは、中学受験に向いている子どもの特徴について、見ていきましょう。
自分で考えることができる子
「なぜその中学に入りたいのか」という質問に対し、「自分の言葉で答えられる子」は中学受験に向いています。
それぞれが異なる特色を持つ私立中学には、実験の豊富な理数教育に長けた学校もあれば、国際人を育成するグローバル教育に特化した学校もあります。
「あの学校でこういう勉強がしたい」という自分の意思ほど、強いモチベーションはありません。口に出す出さないにかかわらず、「これが好き」「あれをやりたい」と、いつもはっきりとした意思を持っている子は中学受験向きといえるでしょう。
集中力を持って取り組める子
ほんの2~3歳のころから「好きな遊びに熱中すると呼んでも気づかない」という子がいます。「並外れた集中力」は、受験勉強に取り組む際にも大きな強みです。
一方で、「授業の終わりまで集中力が持たない」という場合、現時点では中学受験に向いているとはいえません。精神年齢が成長するのを待った方が、本人の負担は少ないでしょう。
中学受験に合格するには、学校の外でも勉強が必要です。「小学校の授業で集中して先生の話を聞けているか」という点も、受験に挑戦するかどうかの判断材料となるでしょう。