赤ちゃんが見せるハンドリガード。始める時期や意味を確認してみよう

第30回 知っておきたいママ情報
ハンドリガードは、赤ちゃんのわずかな間だけに見られるしぐさです。小さな手を見つめながら、赤ちゃんはいったい何を考えているのでしょうか?ハンドリガードをする時期や手を見つめる意味、発達との関係についてくわしく解説します。

ハンドリガードとは

赤ちゃんがする数々の愛らしいしぐさは、パパやママを癒やす絶大な力を持っています。そのしぐさのひとつが「ハンドリガード」ではないでしょうか?

名前を聞いただけではピンとこない人も、もしかしたらときどき見かけているかもしれません。まずは、「ハンドリガードとは何か?」ということから紹介しましょう。

自分の手をじっと見つめる行動

機嫌のよいときの赤ちゃんは、自分の手をじっと見つめていることがあります。この行動が「ハンドリガード」と呼ばれるしぐさです。英語では「Hand-regard」でregardには、対象に「注目する」「じっと見る」という意味があります。

眺めるだけではなく、なめたり、ぎこちなくグーパーしたりする様子も見られるでしょう。拳を作って小さな口の中に入れようとして、大人を驚かせることもあります。

ゆらゆらと揺らしてみたり、両手を組むようにしてみたり、複雑な動きを見せる赤ちゃんもいるかもしれません。こうした動作もすべて、ハンドリガードに含まれます。

いつからいつまでするの?

赤ちゃんの成長を逐一シャッターに収めているパパやママなら、「ぜひともハンドリガードの写真をコレクションに加えたい」と思うでしょう。

では、この愛らしい姿はいつごろ見られるのでしょうか?ハンドリガードの一般的な時期や、見かけやすいタイミングについて紹介します。

始まりは生後2カ月ごろから

赤ちゃんがハンドリガードを始めるのは「生後2カ月ごろ」が多いとされています。このころの赤ちゃんといえば、まだ小刻みに寝て起きてを繰り返しているでしょう。

起きているわずかな時間のうち、おなかも満たされてご機嫌なときがハンドリガードのタイミングです。なお、スタート時期は個人差が大きく、生後4・5カ月から始める赤ちゃんも珍しくありません。

長くても3カ月程度で終わる

ハンドリガードは、3カ月程度で見かけなくなることが多いようです。早い子は1カ月ほどでしなくなってしまうため、ハンドリガードに気づけなかったということもあります。

赤ちゃんは猛スピードで成長するため、日々できることが増えていくでしょう。興味の対象も手だけにとどまらず、次から次へと移り変わっていきます。

「声を出して笑った」「クーイングした」と喜ぶうちに、「そういえば最近見ていないな…」と気づくことがほとんどです。

ハンドリガードは成長のサイン

「プクプクした手を見つめる姿がかわいい!」と、パパやママを骨抜きにするしぐさですが、ハンドリガードからわかるのは赤ちゃんのかわいらしさだけではありません。ここでは、ハンドリガードが示す赤ちゃんの発達について見ていきましょう。

見る力の発達

手をじっと見つめていることから、「見る力が発達した」ことがわかります。生まれたばかりの赤ちゃんは、あまり目がよくありません。

視力が低いだけではなく、焦点を結ぶ距離もとても近いのです。やがて月齢が進むに従い、視界が広がっていきます。ハンドリガードをするようになったのは、様々な色や形を認識し、動くものを捉えられるようになったためです。

動かす力の発達

仰向けで寝ている赤ちゃんがハンドリガードをするには、「手が目の前にくるように腕を持ち上げる」動作が欠かせません。つまり、出産直後はくにゃくにゃと頼りなかった赤ちゃんに、「自分の腕を持ち上げる力」がついたことを示しています。

目の前で両手を握ってみたり、口の方へ持っていこうとしたりするのも、「手を自分の思うように動かせるようになった」という証です。

ハンドリーガードをする赤ちゃんのなかには、手で足をつかんで持ち上げるように開脚したり、足先を口に入れたりする子もいます。

「フットリーガード」と呼ばれるもので、手を動かす筋肉だけでなく下半身の力もついてきたということです。ハンドリーガードの時期を過ぎた後にハイハイなどを始めることからも、前段階での準備運動のようにも見えるかもしれませんね。

好奇心の発達

生まれて初めて手を視界に捉えたとき、赤ちゃんはそれが自分の手だとは理解していません。「これはいったい何?」という思いで見つめる目は、真剣そのものです。

やがてそれが自分の意思で動かせることを知ると、「どんな味がするの?」「どんな感触なの?」と、様々な研究に取りかかり始めます。ハンドリガードとは、赤ちゃんのこうした「知りたい!」という好奇心の発達を表すしぐさでもあるのです。

うちの子はしないけど大丈夫?

親になると、同じ月齢の赤ちゃんの成長が気になるものです。「うちの子はハンドリガードを始めたよ」と聞いて焦ることもあるかもしれません。最後に、ハンドリガードをしないことへの不安を取り除いておきましょう。

成長には個人差がある

すべての赤ちゃんがハンドリガードをするとは限りません。伝い(つたい)歩きをせずにあんよを始める赤ちゃんがいるように、ハンドリガードを省略して次のステップに進む赤ちゃんもいます。

「実はハンドリガードをしているけれど、ママがなかなか見られないだけ」ということも、珍しくありません。起き抜けに泣かないタイプの赤ちゃんだと、ベッドの中でこっそり手を見つめていることもあります。

反対に、ハンドリガードが長く続いて心配になるママもいるようです。しかし、ラトル(ガラガラ)やおもちゃを握るなど、ほかにも興味を向けている様子があれば心配しなくてよいでしょう。

まとめ

ハンドリガードをする赤ちゃんの姿は、育児疲れも吹き飛ぶかわいらしさです。「何を考えているのかな?」と想像したり、記念に写真を撮ったりして過ごすのも楽しいでしょう。

ただ、きょうだいであっても、ハンドリガードを始める時期や期間は異なります。まったくしない子もいるため「見られたらラッキー」といった気持ちで、ゆったり成長を見守りましょう。