トイレ掃除の正しい方法。汚れの原因と落とし方を徹底解説

第106回 みんなが共感!ママのお悩み
「トイレ掃除を欠かしたくない」と思っていても、忙しいとついつい後回しにしがちです。正しい方法がわからずに掃除をしていると、汚れは落ちづらいでしょう。汚れを落とすポイントや、時間をかけずにきれいにする方法を紹介します。

トイレ汚れの原因と対処法

トイレは、1日のうちに何度も使用する汚れやすい場所です。掃除にかかる時間を減らすには、汚れに合った落とし方を理解しましょう。汚れ別の特徴や、効果的な洗剤の種類を紹介します。

黒ずみ

便器内の水が溜まっている部分に、リング状に付きやすいのが黒ずみです。便器に付着した黒ずみは、「水垢」と空気中の「カビ」が混ざってできます。

カビは「湿気が多い20~30度くらいの場所」で雑菌などをエサに繁殖するため、常に水気のある便器内は好条件です。

ただし、カビの繁殖ではなく、水道水の「鉄分」が蓄積しているケースもあるかもしれません。鉄分が水垢に反応すると、酸化して黒ずむことがあります。

黒ずみは放置しておくと「こびりつき汚れ」となり、落とすのにもひと苦労です。ただ、目立ちやすいため汚れの存在には気づきやすく、汚れがひどくなる前に対処できます。

便器の黒ずみは「酸性」汚れのため、「アルカリ性の洗剤」や「重曹」が有効です。汚れがひどい場合は、「塩素系洗剤」をかけてしばらく放置しましょう。なお、塩素系洗剤は酸性の洗剤と同時使用はNGです。

尿石

尿石は尿に含まれる「カルシウム」の成分が固まったものです。便器の裏側などにはねかえった尿を放置すると、蓄積して尿石に変わります。

名前の通り、石のようにカチカチの状態になって付着するのが特徴です。便器内だけでなくトイレの床などにも飛び散った尿の拭き残しがあると、広範囲を掃除しなければならないでしょう。

長い間に重なって層になった汚れは、少々の力では落とせないほど強力です。尿石と雑菌が合わさるといやな臭いを発するようになるため、取れないからといって放置したままにするのは避けましょう。

尿石はアルカリ性の汚れのため「酸性の洗剤」や「クエン酸」で中和させることで落としやすくなります。

水垢

水垢の正体は水道水に含まれる、カルシウムやマグネシウムなどの「ミネラル」の成分が固まったものです。トイレだけでなく、水回りのステンレスの部分や鏡などに白っぽいうろこ状の汚れとなって付いていることがあります。

トイレでは流した後の水道水から水分だけが蒸発することで、蓄積汚れとなった状態です。ほこりなどが付着すると、こびりつき汚れとして目立つようになります。

軽く拭いただけでは落としづらく、よく掃除したつもりでも残っていることが多いでしょう。「アルカリ性」の性質を持っているのため、「酸性の洗剤」や「クエン酸」を使うのがおすすめです。

毎日のササッと掃除のやり方

トイレ全体をいつでもきれいな状態にしておければよいですが、家の中で掃除しなければならない場所はほかにもあります。1カ所だけに時間をかけることは、難しいでしょう。

コツさえわかっていれば、トイレ掃除は手早く済ませられます。簡単なやり方や、継続するポイントを見ていきましょう。

掃除の手順

トイレの中でも便器は特に汚れやすいため、できるだけ毎日簡単にでも掃除したい部分です。掃除を始める前に、「トイレ掃除用ブラシ」「トイレ用中性洗剤」「トイレ用掃除シート」を用意しておきます。

頑固な汚れには汚れの成分に有効な性質の洗剤を用意しますが、日々のお手入れの際には「中性」の洗剤で問題ありません。

手順は、便器内を中性洗剤とブラシを使って掃除し、便座や便器の外側をトイレ用掃除シートで拭くだけです。便座の裏側も忘れずに拭きましょう。

トイレ用掃除シートは、床や壁の掃除にも使用できます。掃除を簡単に済ませたいなら用意しておきましょう。

継続するためのコツ

こまめなトイレ掃除を継続するには、トイレ内の「決まった範囲だけに的を絞って掃除をすること」がおすすめです。

トイレ内を隅々まで完璧にきれいにしようとすると、時間がかかってしまい面倒になってしまいます。忙しいときは気になる部分」だけでもトイレ用掃除シートでササッと拭き掃除をすると、清潔感を保ちやすいでしょう。

また、トイレ掃除用のグッズを戸棚の奥にバラバラに入れていると取り出しにくく、スムーズに掃除を始められません。必要な掃除グッズは「取り出しやすい場所」にまとめておきましょう。

週1回のしっかり掃除のやり方

簡単に掃除をするだけでは、落とし切れなかった汚れが蓄積していきます。少なくとも「週に1回」程度はトイレ全体をしっかりときれいにしましょう。トイレ全体を掃除する手順やポイントを紹介します。

正しい掃除の順番

正しい順番で掃除すると、汚れの拭き残しを防げます。トイレ掃除は「上から下」に掃除するのが基本です。便器はもちろん、尿の飛び散りやトイレットペーパーの切れ端など、汚れは下の方が多くあります。便器内と便座周りの清掃方法は、毎日の掃除と同じです。

≪手順≫
1.消臭剤やトイレットペーパーのストッカーなど、床に置いてあるものを外に出して拭いておく
2.照明や壁(タンクよりも上部)、操作パネルを乾拭き(または掃除シート)で拭く
3.タンクのレバー・便器の蓋・手洗い場などを掃除シートで拭く
4.便器内は中性洗剤で掃除し、便座は掃除シートで拭く
5.トイレの壁(下部)を掃除シートで拭いた後に乾拭きする
6.床全体を掃除シートで拭く
7.外ドアとドアノブを掃除シートで拭く

「床と便器の境目」は汚れが溜まりやすいため、丁寧に拭きましょう。壁は、便座より低い位置は「尿の飛び散り」が付いている場合があります。

放置しておくと雑菌が繁殖して臭いの原因となるため、掃除シートで汚れをぬぐった後に雑巾で乾拭きしましょう。なかには「水拭き不可」の素材もあるため、あらかじめ確認が必要です。

尿石汚れにはクエン酸パック

少々こすっただけでは落ちない尿石は、トイレットペーパーと「クエン酸スプレー」でパックしてしばらく放置します。

トイレットペーパーと汚れを密着させ、上からスプレーをよく吹き付けて密着させましょう。クエン酸スプレーは、スプレー容器に「水200mlあたりに小さじ1程度のクエン酸」を加えて、よく混ぜ合わせたものを入れて作ります。

クエン酸スプレーが簡単に乾いてしまう状態だとあまり効果がありませんが、トイレットペーパーの量があまりにも多過ぎると、トイレを詰まらせるおそれがあるため注意が必要です。

吹き付けた状態で「30分以上」放置し、汚れが中和してやわらかくなってからこすり落としましょう。

頑固な黒ずみには塩素系洗剤

黒ずみがなかなか落ちない場合、カビに強い「塩素系洗剤」を使用します。洗剤を吹き付けて直ちにブラシでこするのではなく、「30分~1時間程度」放置すると、効果を感じやすいでしょう。

カビなどの黒ずみは、内部まで根を張り表面をこすっただけでは落ちません。殺菌力の強い塩素系洗剤を浸透させて、根幹から取り除くことが重要です。

塩素系洗剤は間違った使い方をすると、人体に有害なガスを発生させます。使用する際は、洗剤の注意書きをよく読み、正しく使用することが大切です。

「ほかの洗剤と混ぜない」「窓や扉を開け換気をよくして使う」「掃除用手袋やマスクを着用する」などの注意点を必ず守りましょう。

床や壁はクエン酸スプレー

男性が立った状態で用を足すと、便器ではねかえった尿のしぶきが床や壁にかかってしまうことがあります。放置しておくと尿石ができてしまい掃除が大変になるため、定期的に拭き取りましょう。

尿はアルカリ性の汚れのため、酸性の「クエン酸スプレー」を使用します。壁は「腰のあたり」まで、床は「便器に近い部分」を重点的にスプレーしながら雑巾で拭き取ることがポイントです。

湿ったままにしておくと、雑菌が繁殖するおそれや素材によっては染みになってしまいます。スプレー後には、「水拭きと乾拭きの2度拭き」がおすすめです。

なお、クエン酸スプレーは塩素系洗剤と同時に使用すると、有毒ガスが発生するおそれがあります。時間を置いて使用するか、違う日に改めて掃除をしましょう。

見落としがちな場所もチェック

トイレは毎日使用するので汚れやすいですが、使用している便器の種類によっても、汚れが溜まりやすい部分があります。見逃しがちな場所を見ていきましょう。

ノズルは歯ブラシで掃除

使用しているトイレが「温水洗浄便座」の場合、ノズルも定期的に掃除しましょう。ノズルの部分は、使用後に収納口から水が流れて自動で汚れが落ちる仕組みです。

しかし、水洗いだけでは落ちない汚れもあるため、「ノズル掃除ボタン」を押して手動でノズルを掃除しましょう。機種によって掃除のやり方が異なる場合もあるため、取扱説明書をよく読んでから掃除することが大切です。

基本的なやり方としては、「歯ブラシ」に中性洗剤をつけてこするか、「掃除シート」でノズルの汚れを拭き取るように落とします。「月に1回程度」は掃除し、カビや雑菌の繁殖を防ぎましょう。

タンクは重曹で掃除

トイレタンクがあるタイプの場合、「月に1回程度」を目安に掃除しましょう。タンク内には水が溜まっているため、蓄積汚れから黒ずみや水垢が発生し、不潔になってしまう場合があります。

タンクの種類によって蓋の外し方が異なり、持ち上げただけで外れるタイプもあれば、ホースや器具などを外さなければならない場合もあるでしょう。

タンクの上部に手洗い場があって蓋を簡単に外せない場合、「手洗い場の穴から重曹を入れて掃除する」方法がおすすめです。タンク内に入った重曹が、内部にできた酸性汚れを浮かせます。レバーを引けば水と一緒に浮いた汚れを洗い流せるでしょう。

重曹を入れる量は「1カップ(200cc)」程度です。即効性はないため、夜に入れてひと晩放置すると、こびりついた汚れにもアプローチできます。

まとめ

トイレ内は狭いようですが、一度にすべての場所を掃除しようとすると大変です。汚れやすい便器だけでも毎日きれいにすれば、1回の掃除に時間をかけずに済みます。

トイレ掃除シートや汚れの種類に合った洗剤を使用すると、時間をかけずにきれいになるでしょう。必要な手順さえわかっていれば、掃除が苦手でも取り組みやすいはずです。こまめにトイレ掃除を行い、清潔なトイレで気持ちよく過ごしましょう。