トイレ汚れの原因と対処法

トイレは、1日のうちに何度も使用する汚れやすい場所です。掃除にかかる時間を減らすには、汚れに合った落とし方を理解しましょう。汚れ別の特徴や、効果的な洗剤の種類を紹介します。
黒ずみ
便器内の水が溜まっている部分に、リング状に付きやすいのが黒ずみです。便器に付着した黒ずみは、「水垢」と空気中の「カビ」が混ざってできます。
カビは「湿気が多い20~30度くらいの場所」で雑菌などをエサに繁殖するため、常に水気のある便器内は好条件です。
ただし、カビの繁殖ではなく、水道水の「鉄分」が蓄積しているケースもあるかもしれません。鉄分が水垢に反応すると、酸化して黒ずむことがあります。
黒ずみは放置しておくと「こびりつき汚れ」となり、落とすのにもひと苦労です。ただ、目立ちやすいため汚れの存在には気づきやすく、汚れがひどくなる前に対処できます。
便器の黒ずみは「酸性」汚れのため、「アルカリ性の洗剤」や「重曹」が有効です。汚れがひどい場合は、「塩素系洗剤」をかけてしばらく放置しましょう。なお、塩素系洗剤は酸性の洗剤と同時使用はNGです。
尿石
尿石は尿に含まれる「カルシウム」の成分が固まったものです。便器の裏側などにはねかえった尿を放置すると、蓄積して尿石に変わります。
名前の通り、石のようにカチカチの状態になって付着するのが特徴です。便器内だけでなくトイレの床などにも飛び散った尿の拭き残しがあると、広範囲を掃除しなければならないでしょう。
長い間に重なって層になった汚れは、少々の力では落とせないほど強力です。尿石と雑菌が合わさるといやな臭いを発するようになるため、取れないからといって放置したままにするのは避けましょう。
尿石はアルカリ性の汚れのため「酸性の洗剤」や「クエン酸」で中和させることで落としやすくなります。
水垢
水垢の正体は水道水に含まれる、カルシウムやマグネシウムなどの「ミネラル」の成分が固まったものです。トイレだけでなく、水回りのステンレスの部分や鏡などに白っぽいうろこ状の汚れとなって付いていることがあります。
トイレでは流した後の水道水から水分だけが蒸発することで、蓄積汚れとなった状態です。ほこりなどが付着すると、こびりつき汚れとして目立つようになります。
軽く拭いただけでは落としづらく、よく掃除したつもりでも残っていることが多いでしょう。「アルカリ性」の性質を持っているのため、「酸性の洗剤」や「クエン酸」を使うのがおすすめです。
毎日のササッと掃除のやり方

トイレ全体をいつでもきれいな状態にしておければよいですが、家の中で掃除しなければならない場所はほかにもあります。1カ所だけに時間をかけることは、難しいでしょう。
コツさえわかっていれば、トイレ掃除は手早く済ませられます。簡単なやり方や、継続するポイントを見ていきましょう。
掃除の手順
トイレの中でも便器は特に汚れやすいため、できるだけ毎日簡単にでも掃除したい部分です。掃除を始める前に、「トイレ掃除用ブラシ」「トイレ用中性洗剤」「トイレ用掃除シート」を用意しておきます。
頑固な汚れには汚れの成分に有効な性質の洗剤を用意しますが、日々のお手入れの際には「中性」の洗剤で問題ありません。
手順は、便器内を中性洗剤とブラシを使って掃除し、便座や便器の外側をトイレ用掃除シートで拭くだけです。便座の裏側も忘れずに拭きましょう。
トイレ用掃除シートは、床や壁の掃除にも使用できます。掃除を簡単に済ませたいなら用意しておきましょう。
継続するためのコツ
こまめなトイレ掃除を継続するには、トイレ内の「決まった範囲だけに的を絞って掃除をすること」がおすすめです。
トイレ内を隅々まで完璧にきれいにしようとすると、時間がかかってしまい面倒になってしまいます。忙しいときは気になる部分」だけでもトイレ用掃除シートでササッと拭き掃除をすると、清潔感を保ちやすいでしょう。
また、トイレ掃除用のグッズを戸棚の奥にバラバラに入れていると取り出しにくく、スムーズに掃除を始められません。必要な掃除グッズは「取り出しやすい場所」にまとめておきましょう。