「まず念頭に置いてほしいのは、別居をした夫婦の多くは離婚に至るという現実です。『今の状況から逃げたい』『夫に腹が立つから、反省を促したい』というような気持ちで安易に別居を始めるのは危険です。相手も寂しさを感じたり、配偶者の目がなくなって自由な時間ができたりすることで浮気に走りやすくなり、相手の心が離れ、結果破局を迎えてしまうことが多々あります」(岡野さん 以下同)
「離婚を前提とした別居」という覚悟をもたないと、望んでいないのに離婚、という結果になってしまうことも。別居をする前には相手と話し合い、勝手に家を出たり、相手を困惑させたりする状況は避けたほうがいいだろう。
また、一方的な自身の感情のみで別居をしてしまったことで、さらに孤独感が強まることもある。望んで家を出たはずなのに、精神的により不安定になってしまうこともあるそうだ。
ただし、別居には良い点もあるという。
●別居で関係改善を目指すなら、密な連絡が欠かせない
「別居の大きなメリットとして、夫婦問題への精神的な負担軽減が挙げられます。ひとつ屋根の下ではつい感情的になってしまうことも、問題を少し離れて冷静に見られるようになり、ストレスからも解放されます」
子連れの別居の場合、気になるのは子どものメンタル。環境が変わることで不安になってしまう子もいれば、ママが安定することで、かえってのびのびと生活できる子もいるそう。子どもの様子をよく観察して、必要であればしっかりケアをしてあげたい。
「うまく別居をするためには、まずは自分や相手の気持ちをしっかり話し合っておくことが大切です。また、再構築を考えているならば、別居中も定期的に連絡をとるなど、相手とのコミュニケーションを絶やさないこともポイントでしょう」
別居は生活環境を変え、自分の気持ちや相手との関係を見直す機会。だが、「絶対離婚する」と決意しているのではない限り、別居には慎重を期す必要がありそうだ。
(ノオト+北東由宇)