「結婚生活をやり直したいと考えているのなら、できるだけ早いタイミングで家に戻る方がよいでしょう。長引くと相手の気持ちも離れやすくなり、戻りづらくなります。だいたい半年から1年を目安にして、今後どうしたいかを決めていきます」(岡野さん 以下同)
「子どもの夏休み中だけ」「幼稚園を卒園するまで」と、最初に期間を決めておくのもよい。また、夫の借金や浮気、DVなどが理由で別居していた場合は、ただ家に戻るだけではなく、公証人役場で公正証書を作っておくことがポイントだという。
「公正証書とは『また夫のもとに戻って同じトラブルが起こった場合、即離婚をし、慰謝料を請求しますよ』という内容が盛り込まれた取り決めの書類です。夫の問題行動で家を出た場合は、夫にサインをしてもらってから戻らないと、また元通りの状態になるリスクがあります」
●離婚か関係再構築かは、相手の対応も見て冷静に判断を
このとき、夫が心よくサインをしてくれるか否かが、相手の再構築への意欲をはかるバロメーターともなる。サインを渋った場合、また同じことを起こす可能性が高いので、そのときこそ離婚を考えたほうがよいかもしれない。公正証書は弁護士や司法書士、行政書士に依頼して作成できるだけでなく、自分で作ることも可能だ。
「別居期間を経て離婚を決意したのなら、すみやかに行動に移しましょう。相手が離婚を受け入れなかった場合、調停に持ち込まれて時間がかかるパターンも珍しくありません。離婚を円滑に進められるよう、早めに弁護士に相談するなど、心づもりをしておくことが大切です」
また、別居中はなるべく相手と連絡をとったほうがよいそう。たとえば、「少しゆっくり考えたいからもう少し待ってね」「元気にしているか心配だけど、ふたりのために距離をおこう」など、フォローを入れておく。こうすると、それ以上関係がこじれず、その後の話し合いがスムーズにいきやすくなるそうだ。
離婚・再構築とどちらに転ぶにせよ、別居をする際は、感情や衝動に流されず、できるだけ冷静に自分の気持ちを見つめなおす環境づくりができるよう努めたい。
(ノオト+北東由宇)