夏遊びに行けないわが子の不満解消法

夏遊びに行けないわが子の不満解消法

第4回 働くママたちが悩む「夏休み問題」
共働き家庭の夏休みの最大の悩みとしてよく挙げられるのが、「子どもをどこにも連れて行ってあげられないこと」。

子どもの不満を解消するには、どうしたら? 病児保育、ベビーシッター、家事代行を行うマザーネットの代表取締役・上田理恵子さんにアドバイスを聞くと、こんな意外な回答があった。

「まず考えてあげてほしいのは、夏休みを全部予定で埋めすぎないこと。弊社でも夏休みの自然体験スクールなどを行っているのですが、参加してくる子どもたちに聞くと、『疲れる』『何も予定のない日がほしい』という声が多いのです」(上田さん 以下同)

親は、安心のため、また、子どもにさまざまな体験をさせてあげたいという思いから、祖父母の家に預けたり、イベントや自然体験スクールなどに申し込んだりすることが多い。しかし、「予定がびっしりで疲れる」と感じている子も少なくないそう。

「いまの子たちは、平日も塾や習い事で忙しいので、『何も予定がないのが何より幸せ』なんて言うんですよ。『何もせずボーッとする時間』を作ってあげてほしいと思います」

確かに、大人も予定びっしりだと疲れるし、「何も考えない時間がほしい」と思うもの。また、子どもはたとえ疲れていても、親に遠慮して本音を言えないこともあるので、親の配慮が必要になる。

夏遊びに行けないわが子の不満解消法

●親の考える有意義な夏休みが、子もそう思うとは限らない

「また、子どもにさまざまな体験をさせることは良いですが、機が熟す前に宿泊体験などに行かせてしまうと、寂しがることもありますし、翌年から嫌がることもあります。本人とよく話し合い、その子にとってちょうど良い時期に申し込むことをオススメします」

また、共働き夫婦の場合、仕事を調整して旅行したのは良いけど、お金がかかる+混雑で疲れただけというのも、よくあるパターン。

「お盆をズラして家族全員で旅行するのも良いですが、夫婦で休みをズラすのも良いですよ。すると、『お父さんと子ども』『お母さんと子ども』で過ごす日でずいぶん埋まるし、子どもも親とたくさん過ごせてうれしいと思います」

親が考える「有意義な夏休みの過ごし方」が、子どもにとってもそうとは限らない。子どもと事前によく話し、子どもの本当の気持ちに寄り添う夏休みにしてあげたいものだ。
(田幸和歌子+ノオト)

お話をお聞きした人

上田理恵子
上田理恵子
株式会社マザーネット 代表取締役
2001年創業。家庭に「ケアリスト」と呼ばれるスタッフを派遣し、家事・育児の細かいニーズに応えるサービスを開始。著書に『働くママに効く心のビタミン』(日経BP社)がある。
2001年創業。家庭に「ケアリスト」と呼ばれるスタッフを派遣し、家事・育児の細かいニーズに応えるサービスを開始。著書に『働くママに効く心のビタミン』(日経BP社)がある。